JR貨物が野菜栽培に進出 ガラス容器メーカーと共同で新会社設立 新工場も立ち上げ

鉄道事業者の新規事業としてはユニークな野菜工場=イメージ=

JR貨物の本職は、もちろんモノを運ぶ物流業。だが、今回はそこから一歩踏み出して、メーカー的な事業に進出する。そしてつくるモノが何よりユニークだ――。

JR貨物は、ガラスビン製造で日本トップシェアを持つ、兵庫県尼崎市の日本山村硝子との間で合弁・業務提携契約を締結。両社合弁の新会社「山村JR貨物きらベジステーション」を設立するとともに、尼崎市内に植物栽培工場を立ち上げて、野菜栽培に乗り出す。

鉄道各社が新規事業・関連事業に力を入れる中、JR貨物は2021年1月に策定した長期経営計画「JR貨物グループ長期ビジョン2030」で、新規事業として植物栽培を例示していた。食の生産は、安定的な食料供給の形で社会課題解決につながるほか、生産物を輸送することで、貨物鉄道輸送にもプラスの効果をもたらす。

植物工場は日本山村硝子にとっても新規事業で、2006年から尼崎市の関西本社で植物工場の研究開発を手掛け、ケールやハーブといった高付加価値型植物の栽培をスタート。現在の栽培工場は次第に手狭になっており、生産拠点拡大を検討する中で、JR貨物に協業を持ち掛けた。

両社によると、新会社は尼崎市内の山村硝子関西本社内に置き、代表取締役社長には日本山村硝子の木村周二氏が就く。資本金は1億円の予定で、出資比率はJR貨物49%、日本山村硝子51%。新会社の社名の「きらベジ」は、日本山村硝子の野菜ブランド。社名のうちステーションは、貨物鉄道駅を表す。

画像:metamorworks / PIXTA
記事:鉄道チャンネル(https://tetsudo-ch.com/

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