今季は初タイトル“豊作”の年に? セ最多勝争いは新顔ばかり、パは打撃で異変

中日・柳裕也(左)とオリックス・杉本裕太郎【写真:荒川祐史】

セ・リーグは投手陣が新たな顔ぶれ、中日・柳が3冠も視野に…

9月も下旬になり、プロ野球のペナントレースは終盤に差し掛かった。両リーグとも熾烈な優勝争いとともに、気になるのは個人タイトルの行方。“常連”が上位に顔を揃える部門もあれば、初の栄冠を手にしそうな選手もいる(成績は21日現在)。

セ・リーグでは、投手に新たな顔ぶれが多い。中日・柳裕也投手はここまでリーグトップの防御率2.16と145奪三振で“2冠”。さらに9勝は1差でリーグ2位で、投手3冠も視野に入れる。また、10勝でトップに立つ阪神の青柳晃洋投手と秋山拓巳投手、巨人の高橋優貴投手も初受賞を目指す。柳と並ぶ9勝の広島・九里亜蓮投手も、プロ8年目でタイトルはない。

野手は阪神ドラフト6位ルーキー・中野拓夢内野手が22盗塁で現在トップ。18日の巨人戦でサイクル安打を達成するなど今季ブレークしたヤクルト・塩見泰隆外野手は、リーグ3位の20盗塁で追う。首位打者争いでも、ともにDeNAの桑原将志外野手が打率.318でトップ、タイラー・オースティン外野手が打率.315で2位。どちらが獲得しても初タイトルとなる。

楽天・島内宏明【写真:荒川祐史】

パ・リーグはオリックス・杉本が覚醒…打率、本塁打、打点全てで上位に

パ・リーグでは、覚醒したオリックス・杉本裕太郎外野手が打撃部門を賑わせている。リーグトップの27本塁打をはじめ、72打点はリーグ3位、打率.308はリーグ4位と上位に。2015年のドラフト10位で入団した“ラオウ”が、首位争いをするチームの4番としての地位を確立している。また、85打点でトップに立つ楽天・島内宏明外野手もここまで無冠だ。

投手部門では、オリックス・山本由伸投手が防御率1.46、14勝、165三振と圧倒的な成績で投手3冠をほぼ確実にしているため、初々しい顔ぶれが並ぶ可能性は少ない。ただ、オリックスの2年目左腕・宮城大弥投手が奮闘。ここまで11勝2敗で、リーグ最高の勝率.846。連敗しない限りは、勝率第1位のタイトルを獲得する可能性は高いだろう。また、日本ハム・堀瑞輝投手も今季はセットアッパーとしてチームが低迷する中でも奮闘し、ここまでトップの35ホールドポイントを獲得している。最優秀中継ぎを獲得した場合は、初の栄冠になる。

阪神が2005年以来の優勝に前進するセ・リーグ。一方、昨季の王者・ソフトバンクがBクラスと苦しみ、ロッテが首位に立つなど勢力図が大きく変わってきたペナントレース。タイトル争いにも新たな風が吹いている今季、歴史に新たに名を刻む選手は何人いるのか、注目が集まる。(Full-Count編集部)

© 株式会社Creative2