消費税未払い訴訟検討 粟国村議「延滞税、村長に責任」

 【粟国】粟国村で村営フェリーの収益に対する消費税などが5年間未払いになっていた件で、村議らが高良修一村長らに対し、延滞税などとして村が支出した総計約382万円相当の損害賠償を求めて訴訟を検討していることが21日、分かった。高良修一村長は開会中の村議会で「心よりおわび申し上げる」と謝罪した。訴訟への対応については「顧問弁護士と相談する」と述べた。

 村議会で質問に立った城間成弘村議は消費税未払いに伴う延滞税(226万5900円)と加算税(概算156万円)の総計約382万円の支払いを巡って、村が村財政から支出したことを問題視した。「前村長や現村長らは賠償責任があると思う。382万円の損害を与えたのは事実だ」と追及した。村民から、高良村長や前村長、担当課長らを相手にした訴訟提起の声が挙がっていることを明かした。

 高良村長は未払いに関わった船舶課職員の処分について、地方公務員法に基づき、村職員分限懲戒審査委員会(委員長・與那城弘明副村長)で審査中と答弁。一方で自身の責任の取り方については、同法では首長などの特別職は処分の対象外になっているとして「顧問弁護士と相談したい」と述べた。

 村は2015~19年の間村営フェリーの収益に対する消費税が未払いとなっていた。延滞税と加算税が発生し、総計は約3514万円に膨らんだ。6月定例会で一般会計からの繰入金を財源とする補正予算を組み、9月中旬までに全額、北那覇税務署に納付した。

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