出産と狩猟、命を巡る対照的なドキュメンタリー2本を連続放送! NHK札幌の新番組「ほっかいどうが」

NHK総合では9月24日、NHK札幌の新番組「ほっかいどうが」(午後10:45、北海道ローカル)の第2弾が放送される。

今回は、妻が出産するディレクターのセルフドキュメンタリー「こんなときですが、“家族”増えました」と、北海道・岩見沢に住む81歳の老猟師の日常に密着した「隻眼(せきがん)の老猟師」を連続放送する。両番組はNHKプラス(https://plus.nhk.jp/watch/st/010_g1_2021092440245)で見逃し配信される(プレーリスト内の「ご当地プラス」の「北海道エリア」から視聴可能。放送翌日の午前10:00頃配信開始の予定)。

同番組は、「感動したり、発見したり、モヤモヤしたり。いつものニュースや番組では描けない何かを伝えたい」というコンセプトから、NHK札幌が8月から不定期放送を始めたドキュメンタリー番組。第1回は、賛成と反対が渦巻く中、北海道・札幌で開催された東京オリンピックのマラソンをテーマに、ディレクター有志たちがカメラ14台を持って街に繰り出した「きょうは、マラソンの日。」を制作した。今回、第2弾として連続放送する新作2本は、偶然にも、命を巡る対照的な物語が並んだ。

第2回「こんなときですが、“家族”増えました」は、コロナ禍で妻の妊娠が判明したディレクターが、家族を撮影したセルフドキュメンタリー。この出来事は、「弟か妹が欲しい!」と言っていた6歳のおてんば娘に何をもたらすのか? そもそも、コロナ禍の出産って? そんな疑問をきっかけに、撮影を始めたという。

病院に付き添いたくても、厳しい制限付き。コロナ禍での出産は、通常よりはるかに孤独なものだった。「万一、家族の誰かが感染したら」など、妻の不安も消えない。さらにディレクターにはもう一つ、家族にカメラを向けた理由があった。それは、家族と過ごしてきた幸せな日々にまつわる、小さな不安からだった…。北海道で暮らす家族の等身大の姿から、コロナ禍での日常生活や身近な幸せに思いを巡らせることができそうだ。

第3回「隻眼の老猟師」は、岩見沢に住む81歳の老猟師・原田勝男さんを取材。原田さんは独自のワナで田畑を食い荒らすシカを捕らえ続けてきた。その数、年間100頭超。シカを捕らえ、命を奪った後、そっと手を合わせる原田さんの後ろ姿をカメラは捉える。「もう出てくるな」「殺したくない」とつぶやく原田さんの表情が印象的だ。彼が隻眼である理由とは? そんなある日、「巨大なヒグマが現れた」という連絡が彼に入る。野生鳥獣による農林業被害が拡大する北海道の現状と、狩猟に携わる住民の心に迫った、静かな中にも迫力が潜むドキュメンタリーだ。

【久保健一チーフプロデューサー コメント】
「もっと自由に、もっと荒削りに。とれたての刺身みたいな番組を届けたくて、この番組を立ち上げました。テレビ番組は、たくさんのスタッフが力を合わせて、丁寧に分かりやすく作るのが常ですが…。なんか丁寧すぎないか? じっくり調理しすぎて、迫力を失っていないか? もっとド直球で、ガツンとした素材のような番組が見たい。作りたい。そのために、現場を見ていない(僕のような)者はあれこれ口を出さず、衝動に駆られたディレクターの素材を鮮度のままに出そう。そんな方針を立てました。調理器具はナイフだけ。現場の空気感を共有していただけたらうれしいです」

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