深圳市でシリア古代文物精品展 遺物が語る東西文明交流

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深圳市でシリア古代文物精品展 遺物が語る東西文明交流

「シリア古代文物精品展」に展示された彫像。(8月19日撮影、深圳=新華社記者/李暁玲)

 【新華社深圳9月22日】中国広東省深圳市の南山博物館で「シリア古代文物精品展」が開催されている。シリアの先史時代から青銅器時代、鉄器時代、古代ギリシャ時代、ローマ時代、ビザンチン時代、イスラム時代に至る各時代の貴重な文化財195点を年代順に展示する。

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「シリア古代文物精品展」のエントランス。(8月19日撮影、深圳=新華社記者/李暁玲)

 展示品は、いずれもダマスカス国立博物館やアレッポ博物館、デリゾール博物館などシリア国内の複数の博物館から厳選された歴史価値と芸術価値の高い文化財で、同国の比類なき文化の豊かさと多様性を反映している。

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「シリア古代文物精品展」を見学する来場者。(8月19日撮影、深圳=新華社記者/李暁玲)

 シリアには3500カ所余りの遺跡がある。国土そのものが青空の下に広がる巨大な博物館ともいえ、「文明の万華鏡」とも呼ばれる。南山博物館の戚鑫(せき・きん)館長は、中国でのシリア文化財の大規模な展覧会は今回が初めてだと説明。8月の開幕以来、多くの人が見学に訪れているという。

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「シリア古代文物精品展」を見学する来場者。(8月19日撮影、深圳=新華社記者/李暁玲)

 シリアは「一帯一路」の沿線国でもあることから、今展覧会では中国文物交流センターが新疆ウイグル自治区や甘粛省、陝西省などから貸し出しを受けた文化財も展示。シルクロードの文化交流を体現している。

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「シリア古代文物精品展」を見学する来場者。(8月19日撮影、深圳=新華社記者/李暁玲)

 中国とシリアの交易は、前漢時代にさかのぼる。シリアの古代都市パルミラやドゥラ・エウロポスなどが中継地や分岐点になったことで、シルクロードの交易は欧州やエジプトにまで及んだ。中でもパルミラは、シリアで最も重要な中国製品の集散地の一つであり、地中海やエジプトに向けた交易路で避けては通れない場所だった。

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「シリア古代文物精品展」を見学する来場者。(8月19日撮影、深圳=新華社記者/李暁玲)

 8世紀半ばになると、中国から陶磁器が輸出され、アラブの香料と生薬が東へ運ばれる新たな文化交流の時代が始まった。専門家や学者らは、歴史書の記載や考古学資料からみて、中国製の陶磁器がシリアやその他のアラブ地域でもてはやされたことは明らかだとしている。今回の展示品の中にも、ダマスカス国立博物館が所蔵するアッバース朝時代の藍緑色釉陶碗があり、空のような色をしているが、専門家は素地の改良に中国の陶磁器製造技術を模倣した可能性を指摘している。

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「シリア古代文物精品展」に展示されたシュメール人の典型的な衣装を着て祈る人物像。(8月19日撮影、深圳=新華社記者/李暁玲)

 中国とシリアは古くから文化交流があり、互いに影響し合ってきた。中でもシリアが中国に与えた文化的影響の中で真っ先に挙げられるのは景教(ネストリウス派キリスト教)だろう。小アジアやシリアで発祥し、唐代に「大秦景教」と呼ばれた景教は、中国に最初に伝わったキリスト教宗派だった。唐の貞観9(635)年にシリアの宣教師、阿羅本(あらほん)がシルクロード経由で長安に来ると、時の皇帝太宗は宰相の房玄齢(ぼう・げんれい)を派遣して郊外で出迎え、宮中に招き教義を尋ねた。阿羅本が聖経(聖書)と聖像(イコン)を献上し、宣教の目的を説明すると、太宗はその信仰を深く理解するため、阿羅本に皇室の蔵書楼で経典を翻訳させた。3年後に太宗は布教を許可する勅令を出すと景教は盛んになり、中国全土に景教寺院「十字寺」が建立された。

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「シリア古代文物精品展」に展示されたシュメール人の典型的な衣装を着て祈る人物像。(8月19日撮影、深圳=新華社記者/李暁玲)

 今回の展覧会には、景教の僧、景浄が書いた碑文「大秦景教流行中国碑」の拓本も展示されている。碑文はキリスト教の基本的な教義、唐の太宗から徳宗までの140年余りの間に景教が中国に広まった状況を記している。唐王朝とローマの宗教・文化交流、東西交流史を研究する上で重要な資料であり、唐王朝の強大な国力と開放的な時代の特徴を反映している。

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「シリア古代文物精品展」に展示されたシュメール人の典型的な衣装を着て祈る人物像。(8月19日撮影、深圳=新華社記者/李暁玲)

 甘粛省敦煌莫高窟(ばっこうくつ)の北区B53窟で見つかったシリア文字の「聖経・詩篇」も、国内の貴重な文化財として展示された。西洋式の装丁で計4ページ。右から左にシリア文字で各ページ15行ずつ書かれており、旧約聖書の詩篇を抜粋している。装丁や内容から、ネストリウス派の宗教活動に関する書物を切り離したものとされている。(記者/李暁玲)

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「シリア古代文物精品展」に展示された彫像。(8月19日撮影、深圳=新華社記者/李暁玲)

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「シリア古代文物精品展」に展示された彫像。(8月19日撮影、深圳=新華社記者/李暁玲)

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「シリア古代文物精品展」に展示された彫像。(8月19日撮影、深圳=新華社記者/李暁玲)

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「シリア古代文物精品展」に展示された彫像。(8月19日撮影、深圳=新華社記者/李暁玲)

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「シリア古代文物精品展」に展示された陶罐(陶製の水がめ)。(8月19日撮影、深圳=新華社記者/李暁玲)

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「シリア古代文物精品展」に展示された陶罐(陶製の水がめ)。(8月19日撮影、深圳=新華社記者/李暁玲)

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「シリア古代文物精品展」に展示された磁碗。(8月19日撮影、深圳=新華社記者/李暁玲)

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「シリア古代文物精品展」に展示された楔形(くさびがた)文字が刻まれた粘土板。(8月19日撮影、深圳=新華社記者/李暁玲)

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「シリア古代文物精品展」に展示された壁画。(8月19日撮影、深圳=新華社記者/李暁玲)

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「シリア古代文物精品展」に展示された貝殻や赤色石灰岩、片岩を象眼した5人の礼拝者の絵。(8月19日撮影、深圳=新華社記者/李暁玲)

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「シリア古代文物精品展」に展示されたエジプト神話に由来する羊の頭とライオンの体を持つスフィンクス。(8月19日撮影、深圳=新華社記者/李暁玲)