「私たちのくらしと人権」台湾国家人権博物館特別展が開幕!

台北駐日経済文化代表処台湾文化センターが国家人権博物館および「SNET台湾」(日本台湾修学旅行支援研究者ネットワーク)と共同主催する「私たちのくらしと人権」~台湾国家人権博物館特別展の開幕内覧会が「国際民主主義デー」に合わせた9月15日に行われ、 台北駐日経済文化代表処の謝長廷代表、 「台湾の政治犯を救う会」のメンバーである可児裕二、 桐越大道、 黄崇子、 手塚登士雄の各氏らが出席し、 台湾の民主化と人権の発展の道のりを振り返った。 開幕式で挨拶した謝・駐日代表は、 民主化運動に取り組んだ自身の経験で次の3つの点を実感したと感想を述べた。 1.人権と自由は天から降ってくるものではなく、 独裁専制政治も自然に消え去るものではない。 政治の民主化運動にを通して、 運動が力となり、 その力によって政治を変えていく。 そのためには犠牲やコストも払わなければならない。 2.人権運動は海外の国際的な力と連携してこそ成功する。 迫害者側は内政干渉だ、 海外に訴えてはならないと言うが、 家庭内暴力と同じで、 それは被害者を孤立させようとするものであるから、 海外の救援は極めて重要である。 3.支配者側は暴力、 買収、 スキャンダル、 内部対立、 内通者などを駆使して民主化運動の陣営に浸透し、 民主化運動陣営を分断し、 弱体化しようとする。 人権活動家は必ず意志を堅持し、 品行に気をつけて行動してこそ成功できる。

そのうえで、 謝・駐日代表は、 戒厳令時代の台湾の政治犯の救援のために日本から声を上げて行動してきた「台湾の政治犯を救う会」のメンバーらに深く感謝の意を表した。 開幕式では、 李静慧・文化部(省)政務次長によるビデオメッセージも上映され、 「かつて台湾は権威主義体制下にあって、 世界の救援が必要であったが、 今日台湾は自由と民主主義を手に入れた。 人々が歴史の中から感謝することを学び、 人権の灯を次世代に伝え、 他の国々の民主の道を照らすとともに、 助けを必要とするすべての人々に光を届けたい」と述べた。

同展は、 台湾の国家人権博物館が2018年に開館後初となる海外での特別展であり、 台湾の民主化の道のりを振り返るパネル、 高一生(ウォン・ヤタウヨガナ)、 黄天、 何川、 王耀勲らの政治受難者の遺書、 陳中統、 蔡焜霖、 劉佳欽、 蔡寛裕らによるインタビュー映像などを展示している。 また、 「SNET台湾」の教授らの協力により、 白色テロの時代に日本で台湾の政治犯の救援活動をしていた「台湾の政治犯を救う会」のメンバーらと連絡を取り合い、 当時の貴重な写真、 出版物、 ポスター、 文献、 活動記録などについても展示している。 そのほか、 「日常における人権侵害」について考えるコーナーも設けられ、 国家人権博物館が取り組んでいる人権教育を紹介している。 同展は台北駐日経済文化代表処台湾文化センターで11月15日まで開催される。 同展ウェブサイトはこちら。

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