”坂の街” 長崎を電動自転車で 「あかり」がツアー始動 ガイド育成へCF

東山手地区を電動アシスト自転車で巡るツアーガイドの堀川さん(左)ら=長崎市東山手町

 長崎市西坂町で「カフェと宿 ROUTE(ルート)」を運営する「あかり」(岸川信吾代表)が、長崎市内を自転車で巡るガイド付きのサイクリングツアーを始める。坂の街の歴史や生活に根差した魅力を、自転車ならではの楽しみ方で発信していく試み。年内の本格実施を目指し、ガイド育成資金に充てようと、クラウドファンディング(CF)でお試しツアーを販売している。
 「ルート」では元々レンタサイクルを実施。岸川代表が近場を宿泊客に案内したところ好評だった。自転車だと広範囲を短時間で回れることもあり「坂の街にはあまりなじみがない新たなツールで、観光客にも市民にも楽しんでもらえたら」とツアーを企画した。
 ツアーは2種類。「ルート」を拠点に、出島や旧外国人居留地、中華街などを巡り「和華蘭文化」を感じるコースと、浦上地区の被爆遺構や商店街に出向いて平和に触れるコース。電動アシスト自転車を利用し、3時間を予定している。
 ガイドを務めるのは社会人、大学生の計8人。3月から講師を招いて勉強会を重ね、英語でも説明できるよう研修を積んできた。
 その一人、県立大国際社会学科3年の堀川理乃さん(20)は今月上旬、友達を相手にコースで練習。長崎水辺の森公園(同市常盤町)で開港の歴史を説明し、急勾配のオランダ坂(同市東山手町)を自転車で駆け上がった。堀川さんは「街のいたるところで歴史を感じられ、自転車だから通れる道もある。日常を体験するきっかけにぜひ参加してほしい」と笑顔を見せた。
 「あかり」はガイド育成でかかる研修の講師代や書籍、資料の購入費用などに充てるため、CFサイト「エンニチFUNDING」で、和華蘭コースのお試しツアーを販売中。現地ツアーは5千円、オンラインツアーは3500円。問い合わせはツアーの公式ツイッターかインスタグラム(@cycle_nagasaki)。

© 株式会社長崎新聞社