堤幸彦ほか各界から応援コメント到着! 鬼瓦から日本文化に迫るドキュメンタリー映画「鬼瓦」!

ドキュメンタリー映画「鬼瓦」は近年TV番組等でも取材が増え、 ますます注目される「鬼瓦」の魅力を国内外に発信するプロジェクト。 今後本格的に動き出すプロジェクトへの応援コメントが到着した。なかでも映画監督の堤幸彦は「人を魅了する鬼瓦、 その秘密を知りたくなりました。 6世紀頃の渡来人あたりから作り上げられてきた日本の文化史のある側面、 また鬼伝説とはなにか。 現代の鬼瓦作りを通じてそんな興味への解答がほしい」と本作に期待を寄せた。 また小説家の赤神諒は「圧倒的な強さと荒々しさ、 頼もしさを持つ、 不格好だがユーモラスな、 聖なる何か。 そこには、 神にも似た近寄り難さと、 土塊にすぎない人間の切なさが見える気がします。 鬼瓦の不可思議な魅力の謎を解き明かしてくれるでしょう。 」と神秘的な魅力を発する鬼瓦の究明に期待するコメントが寄せられた。 以下全文掲載。

コメント

堤幸彦 (映画監督)

鬼師のまち=高浜市と何本かの市民ムービー作りにかかわりました。 人を魅了する鬼瓦、 その秘密を知りたくなりました。 6世紀頃の渡来人あたりから作り上げられてきた日本の文化史のある側面、 また鬼伝説とはなにか。 現代の鬼瓦作りを通じてそんな興味への解答がほしい、 映画「鬼瓦」期待します!

首藤勝次 (竹田市 健康と温泉文化・芸術フォーラム理事長)

鬼瓦のパイロット版を見せていただき、 すぐに『美術は宗教と等しい』という言葉を思い起こした。 人類のあらゆる芸術の源は宗教であるとするものだが、 日本美術で最も洗練されたのは仏教美術であり、 西洋ではキリスト教と結びついて発展した。 さらに、 具象的な造形を禁じたイスラムでも建築や装飾に刮目すべき芸術を生み出していることを知れば、 日本に伝存する最古の正史とされる日本書紀に鬼瓦の記述があるのは何の不思議もないが、 だからこそその伝来や意味を解き明かす作業からは意外な真実が現れるのかも知れないと期待を寄せているところなのである。

吉添裕人 (空間デザイナー)

屋根を構成する瓦の中でも重要な役物として鎮座する「鬼瓦」。 昔から構造体と構造体の重要な接点を担いながら、 静かに私たちを見守ってきました。 そんな「鬼瓦」のなんとも言えない魅力。 それはモチーフとしての力強さや、 歴史が培ってきた建築的な概念や構造にも深く関係していることに疑いはありませんが、 その側面だけでは説明できないこの佇まいはどこから生まれてくるのでしょう。 古代より現代まで引き継がれてきた様々な「鬼瓦」の歴史、 製造技術、 それを取り巻く人々の姿は現代においての私たちの暮らしに多くのヒントをもたらしてくれそうです。 その秘密の片鱗がこのフィルムによって紐解かれることを楽しみにしています。

赤神諒 (小説家)

小説で、 鬼瓦のような顔をした戦国武将をライフワークとして描いています。 「鬼瓦」という言葉だけで、 我々は共通のイメージを抱く。 圧倒的な強さと荒々しさ、 頼もしさを持つ、 不格好だがユーモラスな、 聖なる何か。 そこには、 神にも似た近寄り難さと、 土塊にすぎない人間の切なさが見える気がします。 タカザワカズヒト監督が、 本質に迫る切り口と抜群の映像美を武器に、 鬼瓦の不可思議な魅力の謎を解き明かしてくれるでしょう。

清水哲朗 (写真家)

タカザワ監督は目がいい。 同行していただいたモンゴル取材では遊牧民も驚愕する視力の持ち主だが、 映像作家の鋭い視点と思考が能力をさらに高めている。 被写体のことを知らなければ理解するまで尋ね、 着地点が見えなければファインダーをのぞかない。 とりあえず撮る、 長回しをする無駄撃ちもない。 出来上がった映像は息を飲むほどに美しい。 今回のテーマは歴史、 文化、 宗教、 慣習、 伝統などが渦巻く『鬼瓦』。 彼の目にはどう映っているのか、 完成が待ち遠しい。

片山享 (映画監督/俳優)

福井の実家は瓦屋根でした。 鬼瓦のことなど何も知らない当時の僕にとっては遠い空を眺めるための座り位置でした。 今回コメントを寄せるという機会をいただきまして初めて鬼瓦、 そして鬼師に触れました。 千幾年受け継がれてきた鬼瓦を作る鬼師たちが、 今何を想い鬼瓦を作り続けるのかを知りたいです。 普段映画を撮っている僕らにも共通する何かがあるのではないかと思っています。

松田然 (聴く、 書く、 伝える、 専門家)

鬼瓦。 名前は知っていても、 それ自体にどんなコンセプトやストーリーが秘められているのか、 全く持って知らなかった。 そこを美しい映像とともに知ることができるのは楽しみであり、 どこか怖さもある不思議な感覚。 それは、 鬼という日本人なら恐怖を抱く対象のインパクトが大きいからだろう。 日本の歴史・そして宗教とも密接に関わる瓦と、 鬼。 そのテーマをタカザワカズヒト監督がどう描くのかに注目したい。

深田隆之 (映画監督・海に浮かぶ映画館 館長)

私が鬼瓦を見るとき、 それはいつも神社仏閣の屋根や大きな家の屋根にある。 私は下から遠くにある鬼瓦を見つめるが、 鬼瓦はこちらを見向きもせずどこか別の場所を毅然と見つめ続けている。 今回のパイロット版を観て、 鬼瓦とカメラ、 その距離の近さにまず驚くとともに、 こちらがカメラを通して睨まれるような圧倒的な視線を感じた。 普段体感することのできない鬼瓦の質量、 そして丁寧にヘラを入れる職人の手を見るだけで魅了されてしまう。 私がいつも見る鬼瓦は厄災の方を見つめ、 その建物をじっと守っていたのだろう。 この睨みが立ち上がる瞬間、 鬼瓦に魂が練り込まれる瞬間を克明に記録してほしい。

松澤斉之 (日本工芸株式会社 代表取締役)

ある種の伝統工芸でもある「鬼瓦」が映画の題材としてどのようなコンテクストを持つのか、 非常に興味深かった。 視聴者に対し、 どの様な描き方でこれまでの歴史の物語を伝えるか、 楽しみでなりません。 近年は鬼瓦の技術を駆使し家庭でも使用できるプロダクトが増えています。 時代と共に変化する伝統工芸の魅力が、 映画で表現される事を期待します。

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