F1イタリアGP、チケット販売不振で今後の開催に懸念

 F1第14戦イタリアGPでモンツァのグランドスタンドにティフォシが戻ってきたが、来場者数が予想を下回り、F1上層部の懸念材料となっている。

 新型コロナウイルス感染防止のための制約により、2020年イタリアGPは観客を入れずに開催された。2021年には、収容人数の50パーセントの約5万5000人のファンを入れて開催するという決定が下された。

 しかしレースデーのチケット販売数は1万6000枚にとどまった。高額のスタンド席の販売に限られたことが影響しているかもしれないが、来場者数の少なさにFIA会長のジャン・トッドは頭を悩ませている。

「なぜモンツァではこれほど来場者が少なかったのか? 金曜日の予選で私はスタンドを見て失望した」とトッドはイタリアの『Gazzetta dello Sport』に語った。

「今後数年間、F1カレンダーにイタリアのレースがひとつもなくなったら私は落胆するだろう。だがこれは(F1のCEOである)ステファノ・ドメニカリに尋ねるべきことだ」

 ドメニカリも同様に週末の来場者数への失望を示した。ドメニカリは、F1との現契約の最終年である2024年の後にモンツァがカレンダーに残ることは保証されていないとほのめかした。

「グランプリをどのようにして再生するかについて正確に理解するために、主催者と話し合いを行っている」とドメニカリは語った。

「モンツァのないF1を想像するのは難しいことだが、イベントはビジネスでもある。イベントを正当化するには経済的利益がなければならない」

 来場数は少なくても、ティフォシはフェラーリを熱心に応援し、レース中盤、一時フェラーリのシャルル・ルクレールがトップ3を走った際には特に大きな歓声が上がった。

「モンツァは満員だと素晴らしい会場だ。なぜならファンたちは非常に忠実だからだ」とF1のモータースポーツ担当マネージングディレクターを務めるロス・ブラウンは、レース後の『F1.com』のコラムで述べた。

2021年F1第14戦イタリアGP表彰台

「フェラーリは勝てなかったが、イタリアのルーツを持つダニエル(・リカルド)の勝利に大きな声援が寄せられただろう。ティフォシには追いかけるべきヒーローがいたことと思う」

「私は幸運にもフェラーリが勝利した時、サーキットの上に設けられた表彰台に立ったことがある。下には大勢のファンが詰めかけていた。言葉にするのが難しいほどの感動を味わった」

「来年は世界が正常に戻り、モンツァ独自の光景が復活することを願っている」

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