ワクチン接種後の景気回復はどうなっているの? Vよりは角度が低い? 〜9月23日「おはよう寺ちゃん」

9月23日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では日経新聞の記事「投資家、リスク思考に陰り」をとりあげ、木曜コメンテーターのストラテジスト・嶋津洋樹氏と寺島尚正アナウンサーは景気回復の話題を議論した。

寺島尚正アナウンサー

悪い話が重なり合うマーケット

「中国の不動産開発大手、恒大集団が約30兆円の負債を抱え、債務不履行に陥るリスクが判明し、世界の金融市場で信用リスクの警戒が拡大したと出ていますが、これに関してはいかがですか?」と寺島アナから話を振られた嶋津氏は、恒大集団の資金繰り問題も一要因ではあるが、ワクチン接種による景気のV字回復が達成されていないことも関係していると指摘する。

「ワクチン接種が進めば景気がV字回復すると皆が思っていたところが、 ワクチンを接種しても再感染の話が出てきたことで思ったほど経済再開できないとわかってきました。描いていた回復ペースと比較して経済指標が下振れていて、LではないけどVよりは角度が低そうだと懸念し始めたタイミングで中国恒大集団の話が出て、ちょうど悪い話が重なり合って今月は厳しいマーケットの動きが続いている」(嶋津氏)

「中国恒大集団で債務のリストラが行われる可能性が高く、数週間の金融市場は不安定な動向が予想されているそうですが、嶋津さんはどうお考えですか?」と寺島アナの質問に、嶋津氏は「リーマンショック級にはならないと思っています」とコメント。さらに、中国政府の介入度合いについても次のように述べた。

「中国恒大集団の債務は中国のGDPの2%くらいと言われています。リーマンショック時のリーマンブラザーズの債務はアメリカの当時のGDPの4%くらいでしたから、半分くらいのサイズ。サイズ感だとすごく大きいわけではないけれど無視できる大きさではない。そうするとある程度の中国政府による介入が必要になってくるのですが、早くに介入して助けると貸し込んだ人が高い金利で結果的にかなり儲かってしまい、遅れると悲観的な見方が広がってリーマンショックのような雰囲気になるので匙加減が難しいです。そこがはっきりするまでは不安定な動きが続くだろうと見ています」(嶋津氏)

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