長崎県内の若年性認知症 患者受け入れ5年で297人 利用者との“年齢差”に課題

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若年性認知症患者の受け入れ対応

 2016年4月からの5年間で、長崎県内の介護サービス事業所(介護事業所)と障害福祉サービス事業所(障害福祉事業所)で受け入れた若年性認知症の患者数が延べ297人だったことが県の実態調査で明らかになった。利用者は高齢者が多いなど、他の利用者との年齢差からくる問題や個別対応の難しさなど現場の課題が浮かび上がった。
 調査は5月に実施。県内の1403の介護事業所、568の障害福祉事業所を対象に調査票を送付し、それぞれ1004事業所、369事業所が回答した。
 若年性認知症は65歳未満で発症する認知症。患者の受け入れ延べ数は介護事業所が264人、障害福祉事業所が33人。各事業所の受け入れ人数は1人が最も多く、最大は5人だった。
 対応に苦慮した点を尋ねる問いに対し、介護事業所は「他の利用者との関係が難しい」(54.6%)、障害福祉事業所は「提供するサービス・作業内容の選択が難しい」(64.5%)がそれぞれ最多だった。
 自由記述もあり、介護事業所は「(周りの利用者から)『若いのになぜ来ているのか』と尋ねられ返答に困る」、「主な利用者は90代。提供するプログラムでは対応できない」など患者の年齢の若さから生じる課題を指摘。障害福祉事業所は「記憶保持が難しく、毎日作業内容を確認する必要がある」「通所していること自体を忘れるため、毎朝電話し通所を確認する」など認知症の症状による対応の難しさが上がった。
 県などが19年に県内の医療機関を対象に実施した実態調査によると、県内に若年性認知症患者数が少なくとも200人以上いることが明らかになっている。
 今後の受け入れ意向を尋ねたところ、介護事業所は74.1%、障害福祉事業所は45.5%が「本人の症状次第で受け入れることができる」と回答。一方、「受け入れることが難しい」または「分からない」を選択した事業所は「症状や状態に応じた対応が難しい」、「若年性認知症について職員の知識や理解が不足している」などの理由が上位だった。
 県長寿社会課は「受け入れ実績としてはまだ少ないが受け入れに前向きな事業所が多いことも分かった。若年性認知症の実態を広く知ってもらい、患者側に利用できるサービスを紹介すると同時に、事業所側にも受け入れを促すなど支援に取り組んでいく」としている。