被爆体験者の救済へ道筋を 「黒い雨」訴訟受け 長崎市と県に要望

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長崎市の職員(手前)に早期救済を求める被爆体験者ら=同市役所

 国が定める被爆地域外で長崎原爆に遭い、被爆者と認められていない「被爆体験者」らが22日、長崎市と県に対し、被爆認定などの早期救済に向け具体的な道筋を付けるよう要望した。
 要望した第二次全国被爆体験者協議会(岩永千代子代表)と多・長被爆体験者協議会(山内武会長)は、県市に被爆認定を求め長崎地裁で係争中。訴訟を支援する会(川野浩一代表)も参加した。要望活動は毎年続けているが今回は、広島原爆の「黒い雨」を巡る訴訟で広島高裁が7月、国の援護区域外で黒い雨を浴びるなどした原告全員を被爆者と認定したことなどを受けて実施した。
 菅義偉首相は、黒い雨訴訟の上告断念に伴う談話で原告と同様の事情にあった人の救済も検討するとした一方、長崎の体験者に対しては「訴訟の行方を注視する」と述べたのみ。22日の要望で岩永代表は、内部被ばくの可能性を指摘した広島高裁判決を受け「長崎(の被爆地域外)でも灰などが降った。広島とどこが違うのか」と指摘。山内会長は「体験者の高齢化が進んでいる。裁判の結果を待つのではなく、(被爆者認定などの)結果につながる行動を」と求めた。
 今後、被爆者援護法の指針改定に向けた協議には広島市・県が参加する。長崎市・県もこれに当初から加えるよう国に要請しているという。