韓国ベンチャー、iPhoneの「タッチID」特許侵害でアップルに勝訴 「賠償金狙い」の見方も

韓国のベンチャー企業がアップルを相手に米で勝訴したことが分かった。

参考記事:韓国紙「アップルは韓国を差別している」「冷遇されても毎年1兆の固定収入献上」

22日、内外メディアによると、米国の連邦控訴裁判所は最近、アップルが韓国のスマートフォンUI・UX開発企業である「ファーストファイス(Firstface Co Ltd.)」を相手に請求した特許審判控訴審において、ファーストフェイス側が保有している米国特許3件のうち2件が有効あるとした米国特許審判院の判断を引用した。

2011年に創業したファーストフェイスは、UI・UX技術を自主開発している特許ベンチャー企業である。指紋を利用したユーザー認証や、顔認識、虹彩認識を活用したロック画面の認証技術で国内外に源泉特許を保有している。

先立ってファーストフェイスは2018年、米国加州北部連邦地裁に対し、自社が保有する指紋UI・UX特許3件をアップルが侵害したとして訴訟を提起した。アップルがiPhone5SとiPad proから搭載し始めた「タッチID(Touch ID)」技術が、スマートフォンの画面を有効にするために指紋認証を利用し、アクティベイトボタンを押すと指紋認証機能を実行することを骨子としたファーストフェイスの特許を侵害したという主張だった。

これにアップルは、2019年、これら特許3件の無効を主張し、無効審判を請求した。しかし、昨年7月に米国特許審判院が、同特許3件のうち2件が有効であると判断したのに続き、米国連邦控訴裁判所もその審理結果を引用した。

画像:当該訴訟について報じたロイター記事キャプション

先にファーストフェイスは、サムスン電子についても、自社の米国特許を1件侵害したとして訴訟を提起したが、米国特許審判院連邦控訴裁判所は、その特許は無効であると判断を下し、サムスン電子への侵害訴訟は停止した状態だ。

一方で、ファーストフェイスは「パテントトロール」であり、最初からライセンス料や損害賠償金を狙った特許専門企業であるとの見方も持ち上がっている。企業等から特許を買い集め、そこから他社を訴える「ネタ」を探す手法の企業形態であり、近年、多くの企業が「餌食」になっている。

iPhone Mania紙は2018年4月に遡る(訴訟当初の)記事において、「Business KoreaがFirstfaceを《パテント・ベンチャー》と呼んでいるように、同社は巨額の賠償金を目当てに大企業相手に特許侵害訴訟を起こす《パテント・トロール》だろう、と米メディア9to5Macなども報じています」と伝えた。

しかし、韓国の毎日経済新聞は22日、ファーストフェイスのチョン・ジェラク代表のコメントを伝えた。チョン代表は「発明を着想し、特許を出願してから満10年、アップルを相手に訴訟を提起したかだけで3年半が経って、特許の有効性を認められた」とし、「他の共同代表はもちろん、私たちを無限に信頼し全面的な支持とアドバイスを提供してくれ個人投資家がいなかったら、国内の地元企業として、ここまで来るのは不可能だっただろう」と述べており、自らが開発した技術であることを強調した。

毎日経済新聞によると、ファーストフェイス側はアップルが今回の判決を上告する可能性を低く見ていると毎日経済新聞は伝えた。ファーストフェイスは日本でもアップルを相手に2018年に指紋・顔認識UI・UXの侵害訴訟を提起している。

この報道をみた韓国のネットユーザーからは、

「アップルとの訴訟戦は判決文を読んでみなとね。エピックとアップルの訴訟戦では、エピックが勝訴したのに、支払いはエピックが担った事例があった…」

「賠償金もらって大企業になって~若者たちの職場をつくって」

「アップルは革新的だと思ったろ?実際は人の技術を盗んでるのがiPhoneだ」

「がんばれ!」

「アップルが中国みたいなことをしたということだな」

「我が国の技術だったとは」

「ボタンに指紋認識入れるだけで特許と言われてもなw」

などのコメントがネット掲示板に投稿されている。

参考記事:日経「サムスン自ら国産化に着手」「意思決定の速さ目を見張る」 「韓国ではなくサムスンが凄い」ネット民

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