14戦連続QS鷹・マルティネスやっと後半戦初白星「勝ちがつかないのも野球の面白さ」

笑顔で8のジェスチャーをするマルティネス

やっと報われた。ソフトバンクのニック・マルティネス投手(31)が23日のロッテ戦(ZOZOマリンスタジアム)に先発して、7回5安打無失点の好投。7月10日以来の8勝目を挙げた。

94球を投げ終えマウンドをさっそうと降りた。実に14試合連続のクオリティースタート(QS)。ようやく打線の援護を受けてつかんだ後半戦初勝利だった。

前半戦だけで7勝をマーク。東京五輪米国代表としても存在感を放ち、好調を維持したまま戻ってきた右腕は完全にチームの信頼を勝ち得ている。防御率は1・75。勝てなくても不満な様子は一切見せない。ベンチではファンのように、チームメートの好プレーに大きなリアクションで反応。そんな紳士で、チーム思いな助っ人は誰からも愛されている。

何よりも尊い「信頼」を勝ち得ているからこそ、たとえ勝ち星がつかなくても心が乱れることはない。「自分に勝ちがつかないというのは、それもまた野球の1つ。野球の面白さみたいなものだと思っているよ」。白星が付かずとも焦らず平常心でマウンドに上がり続けたことが、今季17試合中16度のQSにつながっている。

「ウチのチームは何か一つかみ合えば、まだまだ長い連勝とかそういうものもできるチーム。自分にできることはチームが勝つチャンスを少しでも広げる投球をするだけだよ」。チームは5―0の快勝で、首位ロッテに敵地で連勝。7ゲーム差の4位で現実は厳しいが、マルちゃんの言葉通りかみ合い始めた鷹に風が吹いてきた。

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