打倒N-BOX、ダイハツ タントは一部改良で先進装備が大幅向上! スーパーハイトワゴンの王者奪還の予感

軽自動車でもっとも人気のカテゴリーといえばスーパーハイトワゴンモデルだ。その筆頭はホンダ N-BOXであるが、じつは勢力図を揺るがしかねないモデルが登場した。そう、ダイハツ タントの改良モデルである。先進安全装備を大幅に強化するだけでなく、N-BOXにすら装備されていない機能を採用したのだ。そこで今回はタントの改良モデルから考える今後のスーパーハイトワゴン市場について考えてみよう。

ダイハツ 新型タント

スーパーハイトワゴンの元祖はタントだった

いま人気の軽自動車はN-BOXに代表されるスーパーハイトワゴンモデルたちだ。全高が高いために、室内高も確保し、それでいて後席にスライドドアを装備するとあって、普通車からの乗り換えニーズも高いのだ。

初代タントは現在とは少し異なりスライドドアを採用していなかったのだ。ちなみに両側スライドドアとなったのは2代目モデルから

だが、じつはこの市場を開拓したのはほかでもないダイハツ タントである。2003年に突如としてデビューし、瞬く間にヒット車に。その後スズキやホンダなど軽自動車を得意とするメーカーたちがこぞって参入。そして現在はホンダ N-BOXの一人勝ちという状況である。

そのためダイハツやスズキも先進装備の充実化や快適性の向上など、あの手この手でその牙城を崩そうと鎬を削っている状況だ。

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新型タントは先進安全装備を大幅向上! 最大の目玉は電気式パーキングブレーキの採用だ

2021年9月21日にダイハツ タントは先進安全装備を中心に一部改良を実施した。最大の注目ポイントはこれまでキック式であったパーキングブレーキを電気式へと変更した点にある。それに伴い、渋滞時などに役立つブレーキホールド機能も装備したのだ。ちなみにこれら機能はターボモデルにのみ採用される。

停止保持機能は数秒間から制限なしへ

パーキングブレーキスイッチとブレーキホールドボタンはエアコンパネル下に設置される

今回の改良により、タントは任意のスピードと車間距離をキープしながら先行車追従してくれるアダプティブクルーズコントロールは渋滞時も機能することとなった。

もっともこれまでも対応していたのだが、パーキングブレーキがキック式のために停止保持は数秒間となっており、長い渋滞時にはブレーキ操作が必要となる場面もしばしば見受けられたのだった。

ブレーキホールド機能は疲労軽減に貢献

ちなみにブレーキホールド機能は日常生活でもかなり役立つ機能だ。じつは信号待ちなどの停止時にブレーキを踏み続けることなく停止してくれるとあって、大幅な疲労軽減にもつながるのである。

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N-BOXにない機能を搭載! タントは先進安全装備で大幅リードへ

じつはこの機能、宿敵ホンダ N-BOXには搭載されていない。もっといえばスズキ スペーシアも同様となっている。現状スーパーハイトワゴンでこの機能を搭載しているのは三菱 eKスペースと日産 ルークスとなっており、かなり珍しいのだった。

それだけに今回実施されたタントの機能向上により、販売台数向上も狙えると筆者は考えている。

他のモデルで採用されているために、当然N-BOXにも! と予想されていたのだ

というのもN-BOXが2020年末に改良モデルを発表した際に、この機能が搭載されるのでは? と噂されていたが、蓋を開けてみればその部分の変更はなし。ホンダはN-WGNやN-ONEといった他の軽自動車にはすでに採用されているために、王者N-BOXへ当然採用されると予想されていたために、販売店はもとよりユーザーも驚いたというほど。

今回の改良により、ライバル車よりも一歩リードしたタント。それだけに今後もこの市場からは目が離せない!

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【筆者:MOTA編集部 木村 剛大】

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