博物館コラボにブラインドボックス…2021年の多彩な月餅―中国

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博物館とのコラボレーション、文化クリエイティブギフトボックス、ブラインドボックス…中秋節(旧暦8月15日、今年は9月21日)には月餅はまた人気商品になった。大手月餅ブランドはあの手この手でアイデアとおいしさを競い、今年の月餅市場にはさらに文化クリエイティブコラボの旋風が吹き荒れた。毎年、月餅市場に多くのメーカーが参入し、数多くの商品が販売されるのは、月餅が本当にもうかるからだ。ある上場企業の年度決算によると、月餅の粗利益率は60%に迫る。今年の原材料コストが上昇したにもかかわらず、月餅は引き続き「いい商売」だという。成都商報が伝えた。

■アイス型、ミルク瓶型など多様、ひと味違うタニシ麺味やザリガニ味も

月餅メーカーはあらゆる工夫をし、さまざまな月餅を打ち出してアイデアと味を競っていた。

天眼査アプリのデータでは、中国の「月餅」関連の特許出願情報は1万件を超え、現在の有効特許は1800件以上あり、その大多数が外観デザインに関する意匠特許権で、哺乳瓶型の月餅もそのうちの1つだという。特許の説明を見ると、「ミルク瓶型月餅」は哺乳瓶そっくりの形をしている。このほかの目新しい月餅関連の特許には、「蟹型月餅」や「アイス型月餅」などがある。いずれも意匠特許権で、蟹の形、アイスの形をしたものだ。透かし彫り風リング型の月餅、何層にも分かれた月餅など、数え切れないほどさまざまなタイプがある。

こうした珍しい外観の月餅だけでなく、材料に工夫を凝らした月餅も数多くある。タニシ麺風、ザリガニ味、マスタードサーモン味、上海蟹味、フレッシュミート味、ミルクティー味など、いろいろな珍しい風味の月餅が続々誕生した。

胡辣湯(河南省の伝統的な辛味スープ)味の月餅を見ると、ECプラットフォームでは牛肉入りのものが6個で109元(約1800円)前後、プレーン味のものが8個入りギフトパッケージが230元(約3900円)前後で売られていた。胡辣湯も月餅も好きなので、一緒にしてしまおうというアイデアで、この不思議な組み合わせの衝突と融合によって、河南の味を楽しめることは確かだ。

今年最も「破壊力」を備えていたタニシ麺味の月餅が突然現れた。中身はタケノコの漬物、タニシ、貢菜、ビーフンなどだ。商品の紹介文を見ると、タニシ麺味月餅の皮は照りのある黒色で、暑い日のアスファルト道路によく似ている。業者によると、イカスミを入れてこの色を出したという。

またネットショッピングでは、プリプリしたザリガニの肉をフレッシュミートに混ぜ込んだ中身のマーラーザリガニ味の月餅も売られている。サーモン、イクラ、海苔にマスタード味をつけたサーモン寿司風の月餅もある。いろいろな中身があり、消費者が思いつくようなものならメーカーが商品化できないものはない。

■病院も博物館も月餅、業者とのコラボやブラインドボックスタイプも

「一夜明けたら、上海中の人が宛平南路600号に月餅を買いに来たようだった」。上海市徐匯区の宛平南路600号とは上海市精神衛生センターの所在地だ。今年の中秋節に同センターが打ち出した月餅が「ネットの人気商品」になった。

同センターは話題性があり注目も集める存在で、この月餅には「自虐的な気持ち」が込められていた。皮には「上海精神衛生センター」と「SMHC 1935」の文字が入り、ミルクチーズ味、青リンゴ青梅味、モカチョコレート味など多くの味をそろえた。メディアの伝えたところでは、同センターの月餅は本来は外部には販売せず、定価78元(約1300円)で関係者向けに内部販売されるだけで、購入するには同センターのミールカードを使って食堂で購入しなければならなかった。しかしそれでも注目を集める人気者になる妨げにはならなかった。11日に動画ニュース「看看新聞」が伝えたところでは、この月餅は中古品取引プラットフォームで599元(約1万円)、699元(約1万2000円)といった高値で取引されており、ネットユーザーによると、定価の16.5倍に当たる1288元(約2万2000円)の価格がついたものさえあったという。

パッケージのクリエイティビティと文化的内容という点では、各大手博物館に相当の優位性があることは間違いない——たとえば文化クリエイティブ分野でトップを走る故宮博物院は、今年は「朕の気持ち」と銘打った化粧箱入りシリーズ、「故宮建築」シリーズ、故宮の技術伝承シリーズなどを一気に打ち出し、どの月餅にも華麗で上品な雰囲気がある。中国国家博物館、陝西歴史博物館、上海博物館、成都金沙遺跡博物館なども遅れを取るまいと、それぞれに特色ある文化的でクリエイティビティにあふれた月餅を次々に打ち出し、アイデアと味を競った。

今年は月餅業者がさらにたくさんの新アイデアを打ち出した。月餅×スカーフ、月餅×お酒、月餅×たこ(凧)など、業界の枠を超えたさまざまなコラボが登場した。

さまざまなマーケティングの中で、一部のメーカーの月餅は価格が高騰した。ハーゲンダッツは天猫(Tmall)旗艦店で、フランスのルーブル美術館とコラボした月餅ギフトパッケージを打ち出し、価格はなんと998元(約1万7000円)だった。割引券を使っても798元(約1万3600円)と高額だが、今回のコラボではまだ最も高い商品ではなかったという。

調査会社の艾媒諮詢(iiMedia Research)のデータでは、中国の月餅売上高は2015年の131億8000万元(約2240億6000万円)から20年の205億2000万元(約3488億4000万円)に増加し、上昇傾向が続いている。新型コロナウイルス感染症対策が常態化する中で、国民が伝統的祝日をより重視するようになり、親族や友人を訪ねる時の手土産としてのニーズがこれから回復する見込みで、21年の月餅売上高は218億元(約3706億円)に達すると予測される。218億元規模の月餅産業には、さまざまな「流派」のそれぞれに特色ある企業を受け入れる懐の深さがある。(提供/人民網日本語版・編集/KS)