東京五輪新体操イスラエル金に不満爆発のロシア 採点支持のロシア人技術委員長を引きずり下ろす

金メダルを獲得したイスラエルのリノイ・アシュラム(ロイター)

東京五輪新体操個人総合で、イスラエル選手の金メダルに不満爆発のロシアが、〝報復措置〟に出た。

ロシア「ガゼッタ」などが報じたところによると、ロシア新体操連盟(RRGF)のイリーナ・ビネル会長は、11月に行われる国際体操連盟(FIG)の新体操技術委員長選挙で立候補者にあげていた現委員長でロシア人のナタリア・クズミナ氏の擁立を取り下げたことを明かした。

理由は東京五輪金メダルを巡る騒動だ。ロシアオリンピック委員会(ROC)として出場した世界選手権3連覇のジーナ・アベリナが金メダルを逃し、イスラエルのリノイ・アシュラムが優勝したことにロシアのスポーツ関係者の不満が爆発。「世界が不正を見ている」「政治の犠牲になった」と猛抗議し、FIGに採点の不正を訴えた。

しかしクズミナ氏がトップを務める技術委員会は「審判団に不公平な判断や不正はなかったことを確認した」と声明。証拠ビデオの提出など、ロシア側の要求をことごとく退けたとしてビネル会長らは怒り心頭だった。

ビネル会長はクズミナ氏擁立取りやめについて「クズミナ氏が、ロシアの異議申し立てを拒否したことで、彼女が真のロシア人ではないことを示した。選挙が控えていたので、彼女は自分がロシア人ではなく、なんの関係もないことを全世界にアピールしなければならなかった。でも今、彼女はロシアや選挙と本当に何の関係もなくなった」と、中立性よりも自身の選挙を重要視したと猛烈に批判している。

新体操では過去5大会連続で金メダルという〝20年の覇権〟を失った格好のロシアの恨みはどこまでも深そうだ。

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