「ここでやるネタじゃない」NHK上方漫才コンテストで〝不穏審査〟が飛び出したワケ

「ビスケットブラザーズ」の優勝で終わったが…

石川県で発生した地震の影響で延期されていた「第51回NHK上方漫才コンテスト」が23日放送され、お笑いコンビ「ビスケットブラザーズ」(きん=30、原田泰雅=29)が優勝。昨年のytv漫才新人賞決定戦に続き、大きな賞を獲得した。

本選1回戦では「レジを背負った召使い」、お笑いコンビ「ニッポンの社長」との決勝戦では「おじさんが席につくキャバクラ」と2本のコントを披露した。

過去にオール阪神・巨人、太平サブロー・シロー、近年ではかまいたち、和牛らが制した由緒あるコンテストとあって、きんは「上方漫才コンテストという由緒ある大会で『召使い』と『おじさんでごめん』のコントだったんですけど、改めて評価していただいてうれしく思う」と神妙な面持ち。原田は披露したコントについて「(審査員から)『キモい』『汚い』と言われたが、そんなつもりはなくて、ただただ人を笑かそうとした結果が、キモくて汚いというものでした」と満足感にひたった。

一方、準優勝に終わったニッポンの社長は「ケンタウロス」のネタを披露した。昨年のキングオブコント決勝でも披露し、ダウンタウン・松本人志から評価されたネタなのだが、今大会で審査員を務めたベテラン漫才コンビ「ザ・ぼんち」の里見まさとは「ここでやるようなネタじゃなかった」と苦言を呈した。

里見の苦言について、在阪の芸能関係者は「若手の賞レースはたくさんありますけど、上方漫才コンテストは歴史も古く格が高い。ただただ面白いと思うことをやりたいと考える若手と、まさとさんとの間に『格の重み』に対する認識の差があったのでは。正直、何をやっているのか分かってなかったのではと思います」と話した。

4年前にピン芸人のゆりやんレトリィバァが優勝した際も、「漫才コンテストなのにピン芸人が優勝」と話題になったが、世代間ギャップは今後さらに広がるかもしれない。

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