【RISE】那須川天心が判定勝ち!武尊との「世紀の一戦」に迫るタイムリミット

強さを見せつけた那須川天心。武尊との「世紀の一戦」はどうなる?

リミットまでは残り――。23日の立ち技打撃格闘技イベント「RISE」横浜大会で、RISE世界フェザー級王者の那須川天心(23)が鈴木真彦(24)に判定3―0で勝利した。ボクシング転向を控えキックルールの試合があと2試合となる中、注目は待望されるK―1のエース・武尊(30)との「世紀の一戦」だ。ただし実現は想像以上に瀬戸際になっているという。どういうことか?

試合は那須川が異次元の強さを見せつけるものとなった。終始相手を寄せつけず一方的に攻撃。胴回し回転蹴りやバックブローも繰り出して、判定3―0で圧勝し「パンチで倒したい気持ちが強すぎて少し空回りしちゃった部分はあったんですけど、技術的にいいものを見せられたと思います」と話した。

来春のボクシング転向を控え、キックルールで臨む試合はこれで残り2試合となった。その相手には「53キロトーナメント」を制した同門TEPPEN GYMの風音から立候補される一幕もあったが、注目は待望の武尊戦が実現するかどうかだ。那須川は「僕もマジで本当にわからない。組まれるのであればやりたい。僕も熱くなれる試合だと思うので」と述べており、RISEの伊藤隆代表は「先方(K―1)とはテーブルについていない状況。間は榊原代表が入っていて、榊原代表を挟んでの会話になっている」と実現にはRIZINの榊原信行CEOがカギを握っているという。

ではその〝キーマン〟の見解は? 榊原氏は「調整役みたいな感じではある。日本格闘技界の記憶に残るような大会にはなるだろうから、実現するために(動きたい)」と意欲を見せる。しかし、現状については「天心としては年末に試合をすることは決めているので、その相手が武尊になるのかどうなのか。『ワンチャン年末しかないよね』という話にはなっています。そうすると(リングは)RIZINではなくなるので、格闘技界が一つになって舞台をつくり出せるかどうか」と厳しい状況であることを示唆した。

一番の問題はタイムリミットだ。榊原CEOは「年末にやるとなると、あと3か月しかない。そこの(やる、やらないの)ジャッジはこの1週間、10日くらいで決めないと」と実現の判断は今月中が限界だという。

想像以上に残された時間が少ない理由はこうだ。「RIZINで『1か月後に何かやる』と言ったら準備は整うんですけど、それとは違うんです。初めてやる、みんなが新たな座組で向き合ってやることだから、いろんなことを調整するのに時間がかかる。だから僕は9月中が一つの大きな山になると思います」

まず「やる」ということだけは今月中に決められなければ、実現は…。もちろん格闘技ファンの願いは一つ。このまま立ち消えにならないことを祈るばかりだ。

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