名女優・原知佐子さんの遺作「のさりの島」 長年暮らした川崎・麻生区で上映

遺作となった「のさりの島」で、艶子役を演じた原知佐子さん©北白川派

 川崎市麻生区で長年暮らし、昨年1月に亡くなった女優・原知佐子さん(享年84)の遺作となった映画「のさりの島」が25日から川崎市アートセンター(同区)で上映される。原さんを知る市民らは「この地を愛した俳優の最高の仕事を多くの方に見てほしい」と願う。

 原さんは1955年に新東宝のオーディションに合格。「黒い画集 あるサラリーマンの証言」(60年)、「秋立ちぬ」(同)、「乾いた花」(64年)など成瀬巳喜男、篠田正浩、大島渚らの巨匠に起用された。70年代のドラマ「赤い」シリーズでヒロインをいびる役で知られた。映画監督の故・実相寺昭雄氏と結婚。2008年に監督の関連資料など1237点を川崎市に贈った。

 「のさりの島」は、オレオレ詐欺を続ける男(藤原季節)が熊本・天草の寂れた商店街に流れ着く。楽器店の艶子は男を孫の“将太”として招き、共同生活を送る─といったストーリー。

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