西岡剛は“節目の3年”、元10勝右腕は現役続行へ 独立LのNPB経験者たちの今後は?

栃木ゴールデンブレーブス・川崎宗則(左)と西岡剛【写真:小西亮】

BC栃木にはビッグネームがずらり…元ロッテ成瀬は現役にこだわる

華やかなNPBの舞台がある一方で、決して恵まれた環境とは言えない“もうひとつのプロ”独立リーグ。ドラフト指名を目指して若き才能たちがしのぎを削る中、多くのNPB経験者もプレーする。今季限りで身を引く決断をした選手もいれば、来季も現役続行の意向を示す選手も。秋を迎え、去就も気になるところだ。

ビッグネームが並ぶ「ルートインBCリーグ」。栃木ゴールデンブレーブスに昨季途中から加入した元ソフトバンク・川崎宗則内野手は、今季も45試合に出場。合間にメディア出演をしたり、自身のYouTubeチャンネルで発信したりと精力的に活動。「自分の人生だから、あとはやりたいようにやる」と言っており、41歳シーズンの来季もユニホームを着る可能性は大いにある。

その川崎と2006年のWBCで二遊間を組んで世界一に貢献した西岡剛内野手は、2019年から栃木でプレー。2018年限りで阪神を戦力外となり、NPB復帰を目指して若手と泥にまみれてきた。「独立リーグで最低は3年やろうと最初から決めていた。きっと、3年目で見える景色もある」と言っていた“節目の3年”が終了。新たな道に進むのか、4年目を迎えるのか、決断が注目される。

ロッテなどで活躍した成瀬善久投手兼コーチは、地元・栃木で現役続行にこだわる。今季は14試合に登板して防御率1.72。「自分が投げられるうちはマウンドに立ち続けようかなと思っています」と自らの背中で手本を見せていくつもりだ。一方で、元ヤクルトの村中恭兵投手は、栃木で現役のユニホームを脱ぐことを今月22日に発表した。2005年の高校生ドラフト1位で山梨・東海大甲府高からプロ入り。2019年オフに戦力外通告となり、琉球ブルーオーシャンズを経て今季から栃木に加入していた。

由規がNPB復帰目指しBC埼玉武蔵入り、元中日の若松は現役続行意向

さらにBCリーグでは、埼玉武蔵ヒートベアーズで今季から由規投手がプレー。独立1年目は15試合で8勝3敗、防御率5.16だった。2007年の高校生ドラフトで5球団競合の末、ヤクルトへ。2018年に戦力外通告を受け、育成選手として楽天入り。2020年に2度目の戦力外となり、NPB復帰を目指して新天地を求めた。ほかに、神奈川フューチャードリームスでは元巨人、西武の高木勇人投手、茨城アストロプラネッツでは元DeNAの濱矢廣大投手らもプレーした。栃木から今季、福島レッドホープスにコーチ兼任で加入した元中日の10勝右腕・若松駿太投手は、現時点では現役続行の意向だ。

四国アイランドリーグplusでは、元阪神の伊藤隼太外野手が今季から愛媛マンダリンパイレーツに所属。しかし、リーグ開幕戦でいきなり右肩を負傷するアクシデントに見舞われた。一方で、2020年限りで広島を戦力外となった藤井皓哉投手は、最優秀防御率(1.12)と最多奪三振の“2冠”を獲得。180奪三振は、リーグ史上最多だった。今年新たに作られた九州アジアリーグでは、元広島の小窪哲也内野手が今年8月にロッテに加入して“返り咲き”を果たした。

NPB復帰を目指すのか、別の目的を見つけてユニホームを着続けるのか、それとも――。元NPB戦士たちはそれぞれの思いを抱えながら、2021年のシーズンオフを迎えることになる。(Full-Count編集部)

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