ANA、沖縄就航60周年 那覇空港で感謝込めイベント

 全日本空輸(ANA)沖縄支店は23日、ANAの沖縄路線就航60周年を記念したイベントを那覇空港で実施した。207人が搭乗した午前11時発の羽田―那覇便の搭乗口付近で記念品を配布し、横断幕で乗客を見送ったほか、水に浸した掃除用モップで「ありがとうを込めて」の文字を駐機場に書いて感謝を伝えた。

 ANAは1961年9月23日に、初の沖縄路線として鹿児島―那覇の運航を始めた。沖縄の施政権が日本に返還される前だったため、当時は同社唯一の「国際」定期便で、搭乗にはパスポートが必要だった。

 日本復帰した72年5月15日には、羽田―那覇路線の就航を始めた。石垣など離島路線の運航も手掛け、初就航からの60年間で累計約1億9千万人を輸送してきた。現在は新型コロナウイルスの影響で運休している便もあるが、沖縄関係路線は27路線を運航している。

 万座ビーチホテル、ラグナガーデンホテルの開業など、航空以外の観光事業にも進出した。2009年に国際貨物ハブ事業がスタートし、19年にはMROジャパンによる航空機整備事業も始めるなど県内での事業を拡大している。同支店の井口治支店長は「沖縄路線は非常に重要な路線だ。既存路線の機材の最適化や、まだ就航していない場所で一つでも多く路線を増やしたい」と話した。

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