新型シビック、素性の良さは評価しながらも“高価になってしまった感”は拭えない様子【みんなの声を聞いてみた】

北米市場では2021年4月末から先行してセダンモデルが発表されていたホンダ 新型シビックが、2021年9月3日(金)より日本でも発売を開始した。日本市場では1.5リッターターボエンジンにCVTもしくは6速MTを採用した5ドアハッチバックのみをラインナップし、価格(消費税込)は、「LX」319万円、「EX」353万9800円。ここでは、そんな新型シビックの価格面についてSNSで挙げられているみんなの声を紹介していく。

ホンダ 新型シビック EX[5ドアハッチバック・FF・CVT/2021年9月3日発売] [Photo:佐藤 正巳]

貴重なMTも設定する走りの楽しい新型シビック

ホンダ 新型シビック

ホンダ 新型シビックは、全長4530mm×全幅1800mm×全高1415mm、ホイールベースは2735mmのボディサイズに、パワートレインには1.5リッターVTECターボ(182ps/240Nm)にパドルシフト付きCVTもしくは、6速MTを組み合わせている。

外観は、低重心・水平基調でシンプルなデザインに、流れるようなルーフラインが与えられ、クーペルックの流麗な形状にまとめられている。

内装も同様に、不要なデザイン要素を排除。スイッチ類は直感操作可能な形状とし、操作時の触感の良さにも配慮されているほか、運転席からの視界の良さや開放感も大きな特徴としている。

先進安全装備には、渋滞運転支援機能「トラフィックジャムアシスト」を追加したHonda SENSING(ホンダセンシング)を標準装備。また、車載通信モジュール「Honda CONNECT(ホンダコネクト)」を全車に標準装備し、車内Wi-Fi環境やスマホがクルマのキーになるデジタルキー機能、緊急サポートセンターによる対応など充実したサービスを備え、価格(消費税込)は、「LX」319万円、「EX」353万9800円(CVTと6速MT共通)。

昔に比べ車格も価格もクラスが上がったと認識しつつも「シビック」のイメージから高いという感覚

ホンダ 新型シビック

そんな新型シビックのデザインについて、SNS上ではどのような意見が飛び交っているのか確認してみた。

その多くは、

「一般庶民に買える価格帯で考えればフィット辺りだったのでは?」

「最近のホンダはとにかく敷居が高くなった」

「カローラと戦える価格にしないと厳しい」

「純ガソリン車なのに競合のカローラスポーツのハイブリッド車並みで割高感は否めない」

「走りは良いし、装備も十分、ハイオクの燃料代を気にしなければ良い車。だが、理想としてはもう100万円低い設定で楽しく走れるクルマが出ると良い」

「昔に比べたら、デザインはごついし値段は高く旧モデルのファンはなかなか食い付かなそう」

と厳しい声が並ぶ。特にライバル「トヨタ カローラスポーツ」(税込価格:216万9000円~276万4000円)と比べる声は多く、300万円台の新型シビックは高いと感じている声は少なくない。

中には、

「オプションも少なく、付いている装備を考えれば実は価格は高くなさそう」

「団塊の世代からすればそれなりにお金があるので、今回の価格帯でも問題ないと勝算しているのだろう」

「シビックも昔のままでいるわけでは無い。昔のシビックの位置にはフィットがいるのでシビックは車格も価格も上の昔のアコードクラスの車に移っているだけ」

と肯定的に捉える声も一定数で見受けられるものの、

「300万円あればもっと楽しいクルマがある。昔はVTECという他には無い魅力があったが、今のシビックには拘る理由がない」

「シビックじゃなくアコードだったら分かる」

「シビックという名前だから高いと感じてしまう人が多いと思う。ホンダは何故シビックという名前に拘ったのか」

と“シビック=手頃なモデル”といった以前のイメージから、新型ではシビックの名前でなくても良かったのではとする声も少なくない数で挙がっている。

その上で、

「クルマ自体は良い。ただシビックの名が定着している中高年層を狙っているのか、スタイリッシュなデザインで若者を狙っているのかいまいち定かではない。正直ホンダは迷走してるなという印象」

と見る声も挙がっている。

「シビックの販売主要国はアメリカ」とする声

ホンダ 新型シビック

そんな中、新型車の登場毎に言われる、

「高いと感じるのは日本人の所得が伸びてないのが原因」

といった声が今回も同様に見受けられた。そうした中で、

「北米ではエントリーモデルの扱いで高い車ではない」

「シビックの販売主要国はアメリカ」

「日本の若者ではなく米国の若者狙いかな? あちらの若者には買える金額」

と新型シビックは、あくまで日本ではなく北米向けと捉えている層も少なくない。

確かに新型シビックの北米モデルでは、日本では廃止となったセダンモデルも生産されるなど充実したランナップを誇る。メーカーとしても二の次とは言わないが、やはり販売台数の見込める地域に力を入れるのは当然だろう。

それでも、

「後から出るハイブリッドの価格次第」

「ハイブリッド人気の高い日本でどれだけ勝負できるか」

と、2022年以降に追加登場が予告されているハイブリッドモデルに期待を懸ける声も一部で見受けられた。

かつて一世を風靡したように、今後シビックが盛り返すことはあるのか? 今後の新型シビックの動向に注目していきたい。

[筆者:望月 達也(MOTA編集部)]

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