東京五輪の卓球混合ダブルス金、男子団体銅メダルの水谷隼(32=木下グループ)が24日、都内で行われた自身初の一般書「打ち返す力 最強のメンタルを手に入れろ」(講談社)の出版記念会見に出席し、約1か月半ぶりの実戦となったTリーグを振り返った。
23日に田添健汰とのダブルスで、東京五輪の男子団体3位決定戦以来となる試合に挑んだが、無念のストレート負け。「当日の朝に選手が1人ケガしたと言っていて、急きょ出ることになった」と明かした上で「(五輪後)1度も練習していないし、引退したというのは変わらないので、これから出る予定もない」と説明した。
東京五輪では歴史に新たな1ページを刻んだが、改めて卓球の奥深さを実感。「五輪の韓国戦の用具そのままだし、それ以来のちょっとした練習ということで、卓球ってめちゃくちゃ難しいなって思った。1か月半やっていないからできないのは当然だけど、本当に試合を久しぶりにして難しかったし、今から選手として戻るのは絶対無理だなって思った」と苦笑いを浮かべた。
現在の水谷は、テレビなど多くのメディアに出演しながら、卓球の普及に尽力。23日放送の日本テレビ「ぐるぐるナインティナイン2時間SP」では、人気コーナー「グルメチキンレース ゴチになります!」でピタリ賞を出し、賞金100万円を獲得して大きな話題となった。
ただ、当の本人は卓球のプレー同様に、自身の振る舞いについてもさらなる高みを見据えている。「今は五輪の金メダリストとしての需要でたくさん出させていただいているが、これからは1人の人間として、水谷隼としてメディアでの扱いも変わってくると思うので、そこは自分の中でいろいろ勉強しながら、これからどういう立ち位置で露出していけばいいのかというのは考えている」と展望を口にした。