【ウナギ・サヤカ】<インタビュー②>フューチャー・オブ・スターダムで査定試合を行う理由と傾奇者の由来、ウナギにとってのスターダムとは?

成長著しいスターダムの2冠王者ウナギ・サヤカ。前編では開催中の5★STAR GPについてやCOSMIC ANGELSの絆についての話を展開。後編では白川未奈から獲得し、若手や新入団者への壁となっているフューチャー・オブ・スターダム王座についての話や他ユニットと比べてのCOSMIC ANGELSの魅力、傾奇者の由来、ウナギ選手にとってスターダムとは?など幅広い分野に話が及んだ。

【フューチャー・オブ・スターダム王座について】

――次はフューチャー戦の話を。白川戦については凄いバチバチしてたと思いますが険悪でしたか?

ウナギ 一言もしゃべってないですね。だって向こうから仕掛けてきたんですよ。そんなもん知るかですよね。

――白川選手もそういうところは強気に焚きつけてきますよね。燃えましたか?

ウナギ 人間っぽくて好きですね、そういうところは。無理に仲良くする必要もないし、白川未奈はプライドがむちゃくちゃ高くて。汚いところをみせない。日本語とかも凄い綺麗だし。育ちがいいっていうのもあるので。人の汚いところをみせないけど、ああやって出してきてくれたっていうことは、レスラーとして一人の対戦相手の感情を動かせたということなので、そういうことに関しては一番美味しいなって思いましたし、あそこで一回負けたけど、次に勝って今ベルトを持てているということに対して、価値があるものだと思ってますし、一回負けて一回勝って今はトントンなので。次の楽しみも増えますし、白川未奈に対してはまた次があるなとは思ってるし、きっとまた次に何かある時に対角にいるんだろうなっていう気持ちはありますね。

――組んで良し戦って良しの間柄というか…

ウナギ そうですね。本当に楽しいですね。ゴッデスの時も白川未奈とタッグを組むなんて本当に予想してなかったんですよ。東京女子に一緒にいる時から、未奈ちゃん先輩だったし「絶対仲良くしないだろうな」っていうくらい、性格かみあわないっていうか、いつも我々じゃないですか?重なることもなかったし「一生仲良くなることもないんだろうな」って 東京女子の時は本当に思っていたんですよ。なので、逆にこっちにきてこんなに横にいるのが信じられないし、東京女子の人はびっくりすると思いますよ。この2人が一緒にいるんだというのが。でもゴッデスもめっちゃ楽しかったですし。白川未奈が横に立って、私のことを信じてくれているのが「一緒に獲りに行こう」って思ってくれているのが、もはや奇跡と思ったので。組んで良しというより、なんですかこの感覚?逆に説明して欲しいんですけど。組んでも良しなわけないんですよ。でもやっぱ組んで同じものを獲りに行くっていうところに、2人の関係がまたグッと強くなるというか。なので組んで良し戦って良しな、そんな“よしよし”な関係ではないと思います。

――目標が一緒の時は…

ウナギ 凄い強いと思いますね。だからもしも、またチャンスがあれば白川未奈とゴッデスに挑戦したいと思うし、未来は無限大だなと思います。

――令和版のある意味クラッシュギャルズですね。あの二人もお互いに仲良しこよしでなく個と個で高めあって技量を高めてお客さんを沸かせていたと思うので。

ウナギ 嬉しいですね。コズエンのいいところって100%信用して100%お互いのガッチリした絆ではなくて「自分が前にでたい」というのが一個あっての絆なので、逆に嘘っぽくないし、本物だと思っていて。

――お二人合わせての意見もまた聞きたいですね。

ウナギ どう思ってるんだろ?絶対ケンカになりそう… だからたむさんが間に必要なんですよ。

――桜井まい選手についてはまだ認めてない?

ウナギ はい、全く。なんなら全然追い出す気でいます。

――ファン的には彼女の頑張りや成長も含めて追いかけていきたいと思います。

ウナギ そうですね。

――同じくアクトレスガールズから月山和香選手とのフューチャー戦がありました。どういう心境で初参戦の相手に名乗りをあげたのでしょうか?

ウナギ やっぱり、試合に対しての自分への負荷やプレッシャーは常にかけ続けてないと成長はしないと思うし、外から来てめちゃくちゃ不安な気持ちはあると思うんですよ。私もそうだったし、逆にスターダムの生え抜きのバチボコに強い奴がいくよりも、1年前に私、前の団体にいて、コミカルな試合しかしていなかったこのウナが「私今ここまで来てますけど、どうですか?」みたいなのは体感してもらいたいというか。もしかしたら1年違ったら立場は同じなわけで。そういう意味ではスターダムにあがる覚悟をスターダムじゃない私がするというか。生まれ育ったのがスターダムじゃない私が(査定試合を)するっていうのが、いいのかなっていうのもあるし。自分がよくわからない人と試合をしてみるっていうのも初めてだったので「2回続けてやれば強くなるでしょ?」っていう感じ。自分への負荷もあります。

――自分のためでもあると。ある意味、優しいなと思いました。気持ちがわかる人が見るというのは一番良いかなと思いますし「これだけ頑張らないとまだこの立場にいけないのか」っていうのをみせつけるっていう発言はウナギ選手の優しさが垣間見えた瞬間だと思いました。

ウナギ やめてください!優しさなんかないです!だって自分もきっつい思いをこの1年してきたので。怪我しながら、テーピング箇所どんどん増えながら、7番勝負したりだとか。スターダムって試合数のテンポも含めて本当にキツイんですよ。でもキツイって言ってしまうのは楽で。逃げようと思ったら逃げれるし、ここで負けようと思ったら負けれるわけじゃないですか。っていうのをどこまで自分を強くするために、耐えていくのかっていうのは、スターダムの中で一番重要かなって思っていて。なので、もう試練は始まってますよね。

――本当にスターダム参戦からのこの1年は凄い成長したと思います。技の見せ方とか極め方とか、見栄の切り方も含めてなんですけど、女子の一流の駆け上っている選手のよくあるパターンにハマっているなと思います。

ウナギ イエーイ!嬉しいです。

――ウナギ選手は大化けしてきてますね。実績もついてきているし、女子プロ界の注目の的だと思いますよ。

ウナギ ありがたい。嬉しいー

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【他ユニットについて】

――他のユニットも沢山あると思いますが、他のユニットとコズエンの違いは感じますか?

ウナギ なんですかね?私が入った時はほぼほぼたむさんがコズエンで独立する時だったので、私の中ではSTARSにいるっていうより、査定マッチもされてないですし。本当にずっとコズエンだったので。ここでは自由であるというか、いい意味でCOSMIC ANGELSって女くさいと思うので。結構、他の選手に絡んでいったりとか、近寄ったり離れたりするじゃないですか。調子いいなと思うけど。そういう意味では自分を上げる為にCOSMIC ANGELSを上げようと思っているというか。常に自分が注目カードになるように動いているという、いい“あざとさ”みたいなものは常に競い合ってる感じはしますね。他のユニットの方がいい意味で支え合っているというか、仲間としての連携はあると思うんですけど。 コズエンって本当に個が強いので、最悪「こいつが落ちても自分が目立てばいいや」って思うので。くらいの気持ちでいることもあると思うんですよ。だって私がフューチャーでこんだけ叩かれても※誰も助けてくれないので。なんなのマジで?って思ってますけど。そういう意味で奔放主義というか試練も与えつつ、でも本当にキツイ時は助けてくれるというのがコズエンなのかな?って思います。

※ウナギサヤカが参戦間もない月山和香に対して査定マッチにフューチャー・オブ・スターダムのベルトをかけると発言したことに対して「ベルトの価値を下げる」といった批判の声が上がった件

――コズエンだけのオリジナルなルールとかあるんですか?

ウナギ 3人で戦う時は一緒に出航します。ポーズをするんですよ。(敬礼して親指を立てて)シューンみたいな。

――これだけはやっちゃ駄目っていうのもありますか?

ウナギ たむさん以外を褒めちゃだめ。

――いいルールですね(笑)

ウナギ たむさん以外を一番にすると「えーじゃあ、たむは?」ってなるので。なるべく一番とか、特別扱いをするような発言は控えること。

――(笑) 桜井選手にも教えてあげないと駄目ですね。

ウナギ 本当あいつ理解してないですからね。地頭が悪いというか。そういう意味でもコズエンって凄い要領が良くて。未奈ちゃんも凄く地頭良いので。厄介な女の立ち回りうまいですよね。

――桜井選手に関してはまだまだそういうところができてないから、1から教えると。

ウナギ 全くできてないと思います。

――これからどう教育されていくのかにも注目したいですね。

【傾奇者の由来、前田慶次との関係】

※花の慶次の名セリフからインスパイアを受けたウナギの得意技「これより我は修羅に入る!」

――“宇宙に翔ける傾奇者”の由来、前田慶次との関係性っていうのはあるんですか?

ウナギ 元々「花の慶次」の話が好きで。むっちゃ格好いいじゃないですか?お話知ってます?

――知ってます。「北斗の拳」の作者が描いている作品ですよね。

ウナギ 「北斗の拳」は同じ女を兄弟同士でとりあうっていう凄いみっともない話なんですけど。前田慶次は人としても大きいし、男としても大きいじゃないですか。めちゃくちゃ格好良くて。というのもあるんですけど、私、大阪から東京に引っ越してくる時に前田慶次のパチンコで稼がせてもらってきてるんですね。そういう意味で東京に来て生活をさせてもらっていたので、足を向けられないなって。

――コスチュームも前田慶次の傾いている感じを意識してますか?

ウナギ そうですね。ちっちゃい頃から人と被るのも嫌ですし、「普通」って言われるのも嫌だから。好かれないんだったら嫌われた方がいいなって思っているし。やっぱり派手に一番目立てるこの世界では、下手でもなんでも目立ったものが勝ちだと思うんですよ。なのでとにかく何でも目立つ!入場も目立つ!負け方も目立つ!全てにおいて目立って、それでウナギ・サヤカという名前をちょっとでも覚えてもらうということが大事だと思うので。これちょっと目立つんじゃないかなって思ったことは全部やる、みたいな感じです。

――思い切りがいいですね!その思い切りの良さがファンの人にも伝わってきている印象ですね。

ウナギ イエーィ。嬉しい!

――もっともっとその傾奇っぷりを見せて欲しいです。

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【今後の目標】

――今後の目標は?

ウナギ 目標は私が元々プロレス始めた時、練習生になった時にプロレス一回もみたことがなかったんですね。なんならプロレス踏み台にして、自分有名になるんだ位の感じで思っていた程で。初めてみた東京女子の試合が、トーナメントの最後の山の日で、1日でベスト4だったところから、頂点を決めるっていう日で。「ここさっき戦って、ここもさっき戦った人が戦うんだ?」みたいな。見たことがない私としてはルール全くわからないじゃないですか?

――ルール全くわからずに見たんですね(笑)

ウナギ なのに涙が溢れてきて。最後の山で二人共がボロボロの状態で出てきて、最後に勝って抱きしめていて、耳元でなんか言ってるけど、こっちには伝わらないけど、なんか伝わるみたいな場面を見て「プロレスすげー」って思ったんですね。

――プロレスの醍醐味ですね。

ウナギ 普通の人ってプロレス見たことないまま、知らないで死んでいく人が多いと思うんですよね。なのでとにかく見てもらいたい、と凄く思うので。スターダムで1番になりたいですとか、そんなのは大前提として。私はプロレスを見たことがない人にプロレスを知ってもらえる地位にまでのぼりつめること。プロレスラーという小さな枠におさまらないで、プロレスっていうものを私生活の一部に置いてもらえる位まで引きあげたいなっていうのは凄いあります。

――世の中に知らせるという意味では、ウナギ選手は身体能力も高いし、見映えも凄くいいので「世の中にうってでる」という意味ではうってつけの選手だと思います。

ウナギ プロレスに対してプライドが高い方って「エロい目で見られたくない」とか凄いあると思いますけど、私は本当に入り口はなんでもいいと思っていて、全然水着もやりますし、興味をもってもらえることが大事だと思うので。そういう意味では一番間口が広いというか。入り口は広い方だと思うので、そういうところでは最初見た目からでもいいので、とりあえず一歩踏み入れる係かな?と思いますね。

――プロレスTODAYでも微力ながら力になりたいです。

ウナギ ありがとうございます。お願いします!

【スターダムとは?】

――ウナギ選手にとってのスターダムとは?参戦してから短いながらも、プロレスラーとして物凄い成長期のタイミングだと感じますが。そういう意味ではスターダムには好敵手(ライバル)も多くて相性良かったなと思いますが。

ウナギ …お母さんですかね。帰るべき場所というか。どんな人でもスターダムの人は絶対に裏切りたくないし、一緒に上がっていきたいし、私の育ての親というか、育った場所だと思っているので、家族は違うな。お母さんかな…って感じですかね。

――独特な表現ですが、直球ではない分、心情をあらわしてますね。

ウナギ 難しいですね。愛が凄いあるし、短いんですけど。自分だけがいくんじゃなくて(スターダム)ごと行きたいっていうのがあるので、お母さんかな。

――これから新しい選手の参戦もあるでしょうし、また敵が多くなって、その分、自分たちが上がっていく楽しみもありますね?

ウナギ 結局は全員、個々なので。どのユニットにいてもキャリアとか関係ないし、全てにおいて人生というか生き様を全部見せれる人が結果勝つと思うので。誰がきても誰がやめても私は関係ないし、全部自分で決めることなので、私はここでトップをとって世界にいくっていう…WWEにいくとかじゃないですよ?(団体を)持ち上げる、もっと楽しい場所にするっていうことだけをやっているので、増える減るは私にとって関係ないです。

【ファンへのメッセージ】

――最後にファンへのメッセージをお願いできますでしょうか。

ウナギ 「努力すれば報われる」とかそういうことはないと思っていて…全て自分の選択肢なので。自分がやりたいとか、未来に対して思っていることは、一番には言い訳しないで、諦めないで言い続けて、自分を助けてくれる人を味方に付けて、一緒に人生を豊かにしていきたいなと思います。スターダムに来るためにしっかりお仕事してお金を稼いできて下さい。

――(笑) ウナギ選手らしいですね。

ウナギ みんなでハッピーハッピーになれるのは。みんな頑張って、みんなで上がって、みんなでスターダム見にきて下さいという感じです。

――スターダムのトップに立ち、プロレスをぶちあげてください!

ウナギ 絶対やります!

(インタビュアー:山口義徳 プロレスTODAY総監督)

【ウナギ・サヤカインタビュー①】5★STAR GP2021とCOSMIC ANGELSの絆について

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