【幕末維新 山口れきし散歩】 No.20 「森重雪島墓碑」

▲木の実落つ(山口市名田島)

 長妻開作・慶三開作・元禄開作・新開作・昭和開作といった広大な干拓地が広がる名田島地区。そこには、いくつもの支流を集めた椹野川が流れる。そのそばにある島中山墓地には、門人たちによって建てられた森重雪島(もりしげせっとう)の墓碑がある。

 1841(天保12)年、名田島に生まれた雪島は、幕末動乱の際には、長州藩の諸隊のひとつである鋭武隊に所属、戊辰戦争では各地を転戦し、後に朝廷より褒賞を受けた。 維新後は脱隊騒動に加わったため、危うく厳罰に処されるところであったが、萩沖の見島に遠島となり、やがて釈放され、その後は郷里で画業に専念した。また彼は、茶道や挿花(そうか)にも通じていたという。

防長史談会山口支部長 松前 了嗣

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