大和ハウス工業ら5社、AI搭載自動運転フォークリフトの実証実験開始

大和ハウス工業株式会社は9月17日、AIを搭載した自動運転フォークリフトの実用化を目指す実証実験を開始すると発表した。同実証は、イオングローバルSCM株式会社、花王株式会社、株式会社日立物流、株式会社豊田自動織機と共同で行う。

運輸部門の最終エネルギー消費量は、産業部門に次いで多い。また、現在の物流業界では、トラックドライバーやフォークリフト運転者等の労働力が不足している。そのため、サプライチェーン全体の輸送の効率化を進めることにより省エネ化を図ること、および物流施設内での省人化と発着荷主間で連携した輸送の効率化が必要だ。さらに、物流施設間の輸配送において、物流施設の入荷と出荷のタイミングにトラック運行を連携させることで、待機時間の削減等のさらなる効率化が求められている。

一方、物流施設内の業務においては、荷物のピッキングや無人搬送車(AGV)等、一部の自動化は進んでいる。しかし、物流施設の入荷と出荷は作業が複雑なため、いまだに大半が人手作業で行われている状況だ。

5社は、サプライチェーンの結節点であるトラックの積卸しを自動化するために、AIを搭載した自動運転フォークリフトの実用化を目指す。同時に、荷主間の計画的かつ効率的なトラック運行を実現することで、サプライチェーン全体の効率化・省エネ化に取り組む実証事業を2021年9月より行う。

事業期間は2023年度までの複数年度で計画されている。2021年度は、トラックの積卸しの自動化技術の確立を目指す。2022年度は、共通システムとの連携・積卸しにおけるスワップボディコンテナの有効活用、およびAIを搭載した自動運転フォークリフトの前後の工程にパレタイジングロボットを活用し自動化の範囲を広げる。2023年度は、AIを搭載した自動運転フォークリフトを活用した効率化、省エネ技術が広く普及するよう実証や検討を進める予定だ。

なお、同事業は、経済産業省資源エネルギー庁公募事業である令和3年度「AI・IoT等を活用した更なる輸送効率化推進事業」において採択され、2021年9月16日に交付決定された。

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