高橋洋一の霞ヶ関ウォッチ 河野氏「親族企業と対中姿勢」の行方 逆に中国へ弱い態度取りづらくなる?

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自民党総裁選は、2021年9月17日告示(29日投開票)で、届け出順に、河野太郎規制改革担当大臣(58)、岸田文雄前政務調査会長(64)、高市早苗前総務大臣(60)、野田聖子幹事長代行(61)が立候補した。

河野氏、岸田氏、高市氏の三つ巴といわれている。自民党内の立ち位置として、河野氏はやや左、岸田氏は中庸、高市氏はやや右である。

自民総裁選の政策論争は、会社内会議のブレーンストーミング

自民党総裁選での政策論争について、筆者は会社内会議のブレーンストーミングだと思っている。誰が総裁になっても、他候補を党や閣内の要職に起用するとみんな公言しているし、総裁選後には衆院選もあるので、自民党としても挙党態勢が求められるからだ。

この意味で、誰が総裁になっても自民党としての大きな政策方向転換はないだろう。筆者は、過去小泉政権、第一次安倍政権、福田政権と身近にみてきたが、それらの政策の差異は、今の3候補の差異と大差ない。

それでも、河野氏の言動はさまざま波紋を呼んでいる。もともと父の河野洋平氏に対して、河野談話により日本の国益を損なったとし、自民党右派はよく思っていない。

河野氏は、河野談話は父によるもので、自分ではないとしてきた。ここにきて、河野氏に関連して、親族が経営する会社の日本端子との関係で、対中姿勢が甘くなるのではないかとの指摘もネットで出ている。

逆に河野氏も中国へ弱い態度を取りづらくなるかもしれない

河野氏は、親族企業との関係をこれまでも公開している。しかし、この事実はマスコミは知っているが、一般には知られていない。このため、ネットで盛り上がっている。

というのは、国会議員の資産公開について、「政治倫理の確立のための国会議員の資産等の公開等に関する法律」で公開されているが、公開は閲覧であり、その場所は国会議員会館での閲覧に限られ、ネット公開されていない。河野氏にしてみれば、これまで公開していて、中国への態度で日和ったことがありますかということだろうが、マスコミはいまいち追及できない。

実際にどうなるか。ネットでの言われているとおりかもしれないが、これだけ言われると、逆に河野氏も中国へ弱い態度を取りづらくなるかもしれない。バイデン大統領が息子の中国との関係を指摘されたが、今のところ中国には厳しい態度だ。これと似たようになるのかどうか。

河野氏自身は21日の記者会見で、日本端子の中国拠点との関係をめぐって、もし政権についた場合「中国に毅然とした姿勢を示せるのか?」と問われると、「日本端子がどうであれ、それが私の政治活動に影響を与えるということは全くございません」と答えている。

「核燃料サイクル」見直し発言で大騒ぎ

河野氏は、核燃料サイクル見直しをいい、霞ヶ関は大騒ぎだ。自民党保守系の中には、やはり河野氏は脱原発の衣の下の鎧が出たという人もいるが、脱原発と核燃料サイクルの見直しは無関係だ。世界の中でも、原発推進で核燃料サイクルのない国は多いというか、むしろそのほうが普通だ。もちろん、日本は原発と核燃料サイクルを二本柱としてながらく維持してきたので、核燃料サイクル見直しは相当な摩擦がある。

総裁選が自民党内のブレーンストーミングと考えれば、この問題提起は面白い。徹底的な議論を期待したい。