韓国紙「中国分裂を望む人が多い」「韓国社会は《反中》を超え《嫌中》に」

韓国紙が韓国社会における「嫌中」の不合理性について論じている。

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オーマイニュースは24日、ソ・ジュンソプ記者による『中国が嫌い?合理的理解に基づいた共存を考える』を掲載した。

ソ記者は、「中国に対する韓国社会の全体の雰囲気は《反中》のカテゴリではなく、それこそ《嫌中》である」と指摘。「一般的に、隣接する国との良好な関係を結んで過ごすことは容易ではないことではある」としつつ、「今日の韓国と中国の関係は少し過剰な側面が存在する」と説明した。

ソ氏は例として、中国を嫌悪する人々の見解の一つに、「中国が分裂する必要がある」というものが存在するとしつつ、その可能性は相当低いものの、実際にそうなれば、数年前のシリア難民の凄惨な状況と欧州各国が置かれた大変な状況にも匹敵する事態になると示唆する。

ソ氏は、「小さな国であるシリアやハイチの政情不安でも深刻な事態が発生するのに、14億もの人口の中国からの難民が発生する事態が発生した場合、最も近い国である韓国の状況はどうなるだろうか」とし、歴史的にみて中国が分裂すると、多くの戦乱が続き、数千万人にのぼる人々が、その戦乱と飢餓で苦しんだことを説明した。

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ソ氏は一方で、「中国は現代史の2〜3百年を除けば史上ずっと世界最大の経済大国であり、最高の文明国として君臨してきた。それだけ底力が内在化している国だ」と強調する。今もAIやIT業界で世界最先端のレベルを謳歌しているのは「決して偶然ではない」とし、「私たちはしばしば、中国を過小評価することは非常に慣れているが、現在の中国の特許件数は、世界1位であり、宇宙産業も世界的水準である」と説明した。

そして、「今、韓国社会が露出している嫌中の空気は行き過ぎだ」としつつ、「私たちのすぐ隣に、中国という巨大市場がなければ、我々の経済が収めた急速な成長発展も、それだけ遅れたはずで、先進国入りのハードルも大変大きかっただろう」と指摘した。

ソ氏は、韓国は中国と隣接する国であり地政学的宿命だと断言し、「根拠のない無視や先入観、漠然とした恐怖、中国を向けた私たちの二つの感情は合理的理解に基づく共存の模索をさえぎる」と批判した。

ソ氏は『我々が知らなかった中国の話』という書籍を最近発刊した。

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