なべやかん遺産|「東映不思議コメディシリーズ②」 芸人にして、日本屈指のコレクターでもある、なべやかん。 そのマニアックなコレクションを紹介する月刊『Hanada』の好評連載「なべやかん遺産」がますますパワーアップして「Hanadaプラス」にお引越し! 今回は前回に引き続き「東映不思議コメディーシリーズ②」!

大女優になると確信していたが……

前回予告した東映不思議コメディーシリーズの美少女シリーズを、もう一度熱く語りたいと思う。
1981年から1993年までの12年間、日曜の朝を華やかにしてくれたシリーズで、ロボットものから始まり、生物、美少女とバトンを渡されていった。ロボットも生物も大好きだったが、年頃の男子には美少女の方が興味深いのは当然。

自分も一般的な男子の一人であったので美少女シリーズに萌え萌えだった。

芸能界に入り多くの仕事をやって来たが、こういった夢のある作品に参加した事は無いので、もしもこのシリーズが復活するなら是非出演したい。

このシリーズには“ワハハ本舗枠”というのがあり、多くのワハハの芸人さんが出演している。それが実に羨ましい。でも、あくまでも羨ましいのはそれだけ。それ以外のワハハには何一つ羨ましくないが。(笑)

シリーズ9作目『魔法少女ちゅうかなぱいぱい!』(1989)が放送開始されると、自分のテンションはMaxになった。主題歌のカセットを買い、車の運転中はエンドレスで聞いていた。

カセットというのが時代を感じさせるね。原宿のキデイランドで魔法ステッキなどのグッズを買いに行った時もカセットで主題歌を聞きながらだった。

ぱいぱいを演じた小沢なつきさんは、とても可愛かった。アイドルとしても女優としても次々と良い仕事をこなしていき、ぱいぱい後には大化けし大女優になると確信していた。しかし、その予想は見事に外れる。

毎週放送を楽しみにしていた『魔法少女ちゅうかなぱいぱい!』が突然放送終了になる事が知らされた時は愕然とした。

この当時は今のようにインターネット情報が簡単に入って来る時代ではなかったので、情報は現場のスタッフさんから直に聞くしかなく、生の声は確かな情報だった。

一年の予定の番組が早期終了、これはただ事ではない。理由をスタッフさんに聞くと「小沢さんがマネージャーと駆け落ちしちゃったんだよ」と言ったので物凄くショックだった。

数週間後、スタッフさんが言った通りになり番組が終了した。小沢なつきロスは強大だ。

小沢なつきさんのその後

『魔法少女ちゅうかなぱいぱい!』終了後に始まったのは『魔法少女ちゅうかないぱねま!』で、主役のいぱねまは島崎和歌子さんが演じた。数年後、島崎さんと一緒に番組をやっていた時にこの時の話を聞くと「どこにチャンスが転がっているかわからないわよね」と言って笑っていたからね。

数年経ち頭の中から小沢なつきさんの事が薄れて行った頃、またショックな事が起こった。芸能界を引退したと思っていた小沢なつきさんが突然ヘアヌード写真集を出して復活。ぱいぱいのぱいぱいが何故か大きくなっていて、それもショックだった。

その後、脱ぎのシーンがあるビデオシネマなどで主役の座に返り咲いたが、それも長くは続かなかった。またもや芸能界から消えてしまい二度と小沢なつきさんを見る事は無いのかと思っていたら、数年後、AVの世界で復帰。ぱいぱい時代の輝きとは違い影が見えてしまったので、それが悲しかった。

ぱいぱいの衣装。本物の衣装は存在感が違う。
魔法ステッキ。手前が撮影用プロップで奥が玩具。

究極のお宝

美少女シリーズは次々と傑作を作り、最終作の『有言実行三姉妹シュシュトリアン』はシリーズ最高傑作だったと思っている。(個人の感想です)

素晴らしい美少女シリーズのお宝をご紹介。前回も紹介したが、今回は違った究極のお宝だ。
まずは、ちゅうかなぱいぱいの衣装。衣装は上下そろっている。

靴は無かったのだが、コレクターの執念か、魔法で引き寄せられたのか、数年後に手に入れる事が出来た。

その他、魔法ステッキ、ふしぎコンパクト、オルゴール、人形、どれも撮影用プロップ。

これらのプロップは発売された玩具に限りなく近いが、微妙な違いがあったり手塗されている部分などもあるので、商品サンプルを使ったのかもしれない。

ぱいぱいの靴。
ふしぎコンパクト、オルゴール、人形。どれも撮影用プロップ。
コンパクトとオルゴールの中身。細かな所が市販された玩具と違う。

執念のコレクション

美少女シリーズで大ブレイクした『美少女仮面ポワトリン』の撮影用プロップもいくつかご紹介しよう。

ベレー帽、赤い羽、サーベルホルダー、手袋はオリジナルプロップ。赤い羽の根本付いているアクセサリーは羽飾りではなく、ポワトリンの指輪。こちらも撮影用プロップで、無くさないよう羽に付けていた事を写真を見て思い出した。ベルト、コスモブレス、ベルサーベルは撮影用ではない。

主人公の妹・ポワトリンプティットの変身ステッキは撮影用プロップで、一つはアクション用なのでウレタンで作られている。

これらが執念のコレクションだ。シュシュトリアンのプロップが無いのが残念だが、念じ続ければ死ぬまでに何か手に入るかもしれない。

執念深いコレクターであり続けたいと同時に、これらのコレクション価値を認めてくれる人達が永久に続く事も望んでいる。永久に称えられるべきシリーズだという事を多くの人に知ってもらいたい。

そして、このシリーズが復活してくれたら幸いだ。その時はワハハ枠だけでなく、なべやかんを起用して下さい。

ポワトリンの帽子と羽。羽に付いているのが指輪。
ベレー帽、赤い羽、サーベルホルダー、手袋はオリジナルプロップ。
ポワトリンプティットの変身ステッキ2種。右はアクション用のウレタン素材。

なべやかん

© 株式会社飛鳥新社