8月大雨を検証「新証拠」 石木ダム訴訟控訴審 反対住民ら再開申し立て

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 長崎県東彼川棚町に石木ダム建設事業を計画する県と佐世保市に対し、工事の差し止めを求めて提訴した水没予定地の反対住民らは24日、8月中旬の大雨の検証結果を新たな証拠として審理する必要があるとして、福岡高裁に控訴審の弁論再開を申し立てた。控訴審は6月に既に結審し、10月21日が判決期日になっている。
 原告住民らは申立書で、8月中旬に川棚川流域で降った大雨のデータを分析した京都大の今本博健名誉教授=河川工学=の検証結果を提示。今本氏はピーク時の推計流量や水位を基に、川棚川の現在の流下能力を算出し、県が治水計画で定める「100年に1度の大雨」が降った場合も「石木ダムがなくても安全に流せる」と結論付けている。
 川棚町で24日、会見した代理人の魚住昭三弁護士は「結審後に分かった県側の主張をひっくり返す事実。裁判所は重く受け止め、弁論再開を判断してほしい」、住民の炭谷猛さん(70)は「川棚川の治水は河川整備で十分対応できることが分かった。各地で豪雨災害が頻発している今、県民みんなに関わる問題。ダムに頼らない治水を改めて訴えたい」とそれぞれ述べた。
 訴訟は、2020年3月に一審長崎地裁佐世保支部が原告請求を棄却。福岡高裁での控訴審は4回の弁論が開かれた。