長崎県観光客 前年比45%減の1900万人 減少率過去最大 2020年県統計

昨年4月には全国に緊急事態宣言が発令され、旅行需要は減少。県内の観光地も人の姿はまばらだった=2020年4月7日、長崎市南山手町

 長崎県がまとめた2020年観光統計によると、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、県内の観光客延べ数は前年比45.2%減の1900万7812人にとどまった。調査を開始した1972年以降、最大の減少率を記録。観光消費額は前年比48.6%減の1888億8100万円だった。
 延べ宿泊客数は442万5045人(前年比46.1%減)。昨年4月、全国に緊急事態宣言が発令され、旅行需要が大幅に減少。5月の大型連休も人流が止まり、同月は前年比で86.8%減と大幅に落ち込んだ。6月以降、県や市町の県民向け宿泊割引キャンペーンや国の「Go To トラベル」などで一時的に回復の兆しを見せたが、その後も新型コロナの感染状況に左右された。

県内の観光客延べ数

 修学旅行の中止、延期も大きく影響した。長崎市を中心に大半の市町で激減し、19万1344人(同54.5%減)。19年まで7年連続で過去最高を更新していた外国人観光客(宿泊客)は、新型コロナの水際対策として入国規制もあり、12万3602人(同84.4%減)だった。
 日帰り客数は、観光施設の休館やイベント中止が相次いだ影響などで1110万488人(同44.4%減)。19年に272隻だったクルーズ客船の入港が14隻に減ったことも響いた。
 観光消費額は前年を大きく下回ったが、宿泊客の1人当たり消費額は3万3037円で前年より589円増えた。
 観光客延べ数を市町別にみると、前年比で減少率が最も大きかったのは韓国人客数の影響を受ける対馬で64.7%減。長崎が61.1%減、島原が50.5%減、南島原が50.1%と続いた。

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