自分らしさ大切に つじ印刷制作 絵本『ピンクのマンボウ』がアニメ化

「アニメを通じて紙媒体にも興味を持ってもらえたら」と話す辻専務(中央)ら=大村市松並1丁目

 長崎県大村市の印刷業、つじ印刷が制作したピンク色のマンボウが主人公の絵本「ガンバレ ピンクのマンボウ」(B5判フルカラー、20ページ)がアニメーション化され、動画投稿サイト「ユーチューブ」で公開されている。絵本のナレーションも付いており、同社は「コロナ禍で在宅での育児が続く中、多くの子どもたちに見てほしい」としている。
 絵本は15年前に社内勉強会の一環で、営業部の牛島剛さん(53)とデザイナーの濱崎真奈美さん(37)が制作。同社発行の広告情報紙が「MANBOW」だったことから主役をマンボウとし、ストーリーや原画を牛島さん、色付けや編集を濱崎さんが手掛けた。完成した絵本は当時、保育園や幼稚園などに配布した。
 ほかのマンボウと違ってピンク色で生まれたマンボウが、仲間外れにされながらも自分らしさを見つけるために冒険するというストーリー。「人と違うことは素晴らしい。自分らしさを見つけよう」などのメッセージが込められている。
 アニメ化されたのは昨年秋、東京で活動するアニメーターから提案を受けて実現。マンボウのほか、タコやサメなど登場する海の生き物が生き生きと表現されている。公開に合わせて絵本も改めて印刷し、取引先などに送ったという。
 同社は今後、活版印刷体験などができる施設を、中心市街地のアーケードに開設予定。辻義尚専務は「マンボウのアニメをはじめ、子どもや若い世代が紙媒体に興味を持ってもらえるような企画に今後も取り組みたい」と話した。

ユーチューブで公開されているアニメ「ガンバレ ピンクのマンボウ」の画面

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