ルーキー消防職員、半年の訓練成果を披露 神奈川・厚木の実技査閲に209人、女性も25人

水平に張られたロープを渡る技術を披露する参加者=県消防学校

 今春や昨春に神奈川県内自治体の消防職員として採用された若者たちが半年間の訓練成果を披露する「実科査閲」が24日、県消防学校(厚木市下津古久)で行われた。女性25人を含む18歳から30歳代までの209人が、救助訓練や救急訓練を披露した。

 この日、消防学校の中村純也学校長が「東日本大震災から10年半、台風や火山噴火など甚大な災害が起きている。消防はこれまで以上に高度で専門的な技術の習得が必要になっている」などとあいさつした。

 訓練生たちは、整列して一糸乱れずに歩いたり走ったりする訓練礼式や、防火衣や空気呼吸器を素早く身に着ける機器取り扱い訓練などを披露。救助訓練では高さ15メートルの塔からロープを伝って降りたり、水平に張ったロープを素早く伝って渡ったりする技術を見せた。

 昨春、湯河原町消防本部に採用された副学生長の鳴澤肇希(としき)さん(31)は都内の病院の理学療法士からの転職組。「災害派遣医療チーム(D-MAT)に入りたいと思ったが、そのためには救急の体験が必要と思い、消防に入った」と話す。半年の訓練を終え「やっとスタートラインに立った。これからは救急の仕事で頑張りたい」と意欲を見せていた。

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