韓国紙「文政権の盲目的親中事大外交は反歴史的」「米国への裏切り...同盟国に中立なし」

韓国紙が米中対立の最中、立場が曖昧な文政権の外交姿勢を激しく批判している。

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朝鮮日報は25日、イ・ヨンジュン前外交部北朝鮮核問題大使のコラム『米中対決荒波のなか、韓国の一人外交』を掲載し、現政府の対中政策が米国への裏切りに相当すると指摘している。

イ前大使は、「米国と中国の間に《冷戦2.0》が開始されている」とし、中国を包囲するクワッド(AUAD)や、冷戦時のCOCOM(対共産圏輸出規制)を連想させる対中制裁により、経済もデカップリングする現状を挙げた。

その上で、米軍のアフガン撤退が東アジアでの中国牽制にリソースを集中させるための一手であり、中国の領土的野心に対抗する「航行の自由作戦」には韓国を除くアジア太平洋の同盟国すべてが参加し、英仏は空母まで動員したと指摘。また、豪州は、中国との対立で大きな損失をこうむった豪州だが、「ファイブアイス(Five Eyes)を凌駕する米国の最上位の同盟体AUKUSの一員として、大規模な原子力潜水艦の船団を保持し、中国の西太平洋進出を阻止する新たな軍事強国に生まれ変わった」と評価した。

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しかし、韓国については、「国内政治アジェンダに捕らわれ、世の中とかけ離れた一人だけの世界に閉じ込められている」とし、「北朝鮮の核にも、米中対決にも、南シナ海にも関心のない韓国政府は、米国の敵国である中国の門前を出入りして、国内政治用の南北平和ショー演出に没頭している」と指摘した。続けて、「サード配置、クワッド加入、南シナ海、香港、ファーウェイの問題など、多くの米・中の争点懸案に関して、変わらず中国と意を同じくしている」と追及した。

イ前大使は、「同盟関係とは戦争勃発時に共に戦うという国家間の誓約である」とし、「そこに中立主義やバランス外交は立つ地はない」と指摘。

続けて、「主権国家は、いつでも必要に応じて同盟を破棄する権利を持っている。しかし、同盟を維持しながら、同時に、同盟国の敵国と裏取引することは、同盟の裏切りである」とし、「主権と国の品格を担保にして展開されている韓国政府の盲目的親中事大外交は国益に有害で反歴史的であり、国民の情緒にも逆行する」と批判した。

イ前大使は、韓国人の対中国非好感度が77%に上ることを挙げ、「我々の政府も中国の迷夢と執着から覚め、現実の世界に目を向ける時だ」と警告した。

この報道をみた韓国のネットユーザーからは、

「所信があり国際感覚のある指導者を選ぼう。政権交代が答えだ…」

「…外交は屈辱、社会は災難、経済は無能、政治は報復、歴代最悪中の最悪だ」

「あの人は国の心配をする人ではありません…」

「…韓米同盟が解体されそうで怖い…」

などのコメントがネット掲示板に投稿されている。

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