【自民党総裁選】河野陣営、地方票「圧勝」に照準 国会議員への心理的「圧力」狙い

陣営の選対本部会議を終え、支持に応える河野氏=24日午後、参院議員会館

 自民党総裁選(29日投開票)は終盤戦に入った。河野太郎行政改革担当相(衆院神奈川15区)の陣営では、党員・党友による地方票のさらなる上積みを狙う。決選投票となった場合でも、党員の声を追い風にしたいからだ。神奈川県内で河野氏を支持する議員も、神奈川の地方票の「圧勝」に向けて票固めに力を入れている。

 「これまでの総裁選の(党員の)平均投票率は60%であり、まだまだ眠っている票がある。党員投票率を上げれば上げるほど、わが陣営の有利になる」

 24日に参院議員会館で開かれた河野氏の選対本部会議。選対事務総長を務める坂本哲志1億総活躍担当相は、河野氏の党員からの支持の高さを念頭にこう力を込めた。集まった約100人の国会議員や秘書らに「最後の掘り起こしに向け、それぞれの地元で必死になってお願いしてほしい」と訴えた。

 河野氏陣営が地方票の上積みを目指すのは、国民の感覚に近いとされる党員・党友の圧倒的な支持を得ることで、1票を持つ国会議員の心理に「圧力」をかけたい狙いがある。

 共同通信社が17、18の両日に全国の党員・党友を対象に実施した電話調査によると、河野氏は4人の中で最多の48.6%の支持を集めたが、議員票は河野氏、岸田文雄前政調会長、高市早苗前総務相が拮抗(きっこう)しているとみられる。河野氏陣営の幹部は「1回目の投票で過半数を取るのは、なかなか難しいと思う」と打ち明ける。

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