【コラム・天風録】コロナと言葉

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 新しい言葉がこれほど多く交わされ始めるのはまれなこと―。調査した文化庁が言う。コロナ禍に関連した3密、ステイホーム、不要不急などの言葉は定着を見せている。6割以上の人が「そのまま使うのがいい」と答えたそうだ▲確かによく耳にし、口にもする。当欄でも何度か使っている。一方で「ウィズコロナ」を使うのに肯定的な人は3割ほど。「コロナと共存」なんてとんでもない、早く消えてほしい、という気持ちが強いからだろうか▲コロナ用語は辞書にも。「三国(さんこく)」の呼称で親しまれる三省堂国語辞典が8年ぶりに全面改訂される。「コギャル」「着メロ」が削除され、「ソーシャルディスタンス」「黙食」などが新項目として加わる▲息苦しさを覚える語だが、時代を映す辞書である。そう言えば、苦しい、つらいと漏らすことも増えた。「三国」編集委員、飯間浩明さん監修の「気持ちを表すことばの辞典」によると、プラスよりもマイナスの思いを表す形容詞の方が多いらしい▲だが不安を人に聞いてもらうと、楽になることもある。気持ちをうまく伝えるには普段から言葉を蓄えておくこと―と飯間さん。ステイホームで辞書をめくってみようか。