中国の研究グループ、人工光合成によるデンプン生産で画期的成果―中国メディア

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2021年9月24日、中国新聞網は、中国の研究者が植物の光合成を利用せずに二酸化炭素からデンプンを人工的に合成する画期的な技術の開発に成功したと報じた。

記事は、中国科学院天津工業生物技術研究所の主導で行われたデンプンの人工合成に関する研究の成果をまとめた論文が24日、著名な国際学術誌「サイエンス」のオンライン版に掲載されたと紹介。植物からではなく、工場で二酸化炭素からデンプンを生産する扉を切り開いたと伝えた。

同研究所によれば、食糧の重要な成分であるとともに重要な工業原料でもあるデンプンは現在、トウモロコシなどの農作物による光合成の作用で生産され、その合成には60余りのの代謝反応や複雑な生理学的な調節が必要であり、理論上のエネルギー転化率はわずか2%であるという。デンプンを生産するために必要な農作物の栽培は長期的なサイクル、大量の土地、水、肥料、農薬などの資源を必要とし、食糧危機や気候変動という地球規模の大きな課題を抱える中で、デンプンの持続可能な供給、二酸化炭素の有効利用が現在の科学技術研究のトレンドになっており、植物の自然な光合成に依存することなく、二酸化炭素から人工的にデンプンを生産する技術の開発は、世界の常識を大きくひっくり返すほどの影響力を持つとのことだ。

記事は、人工によるデンプン合成は11のプロセスで実現され、合成速度はトウモロコシによるデンプン合成の8.5倍であると紹介。現在の技術パラメータでは、十分にエネルギー供給が行われる条件のもとで、1立方メートルほどの生物反応装置で1年間に生産できるデンプンの量は約3300平方メートル(約0.33ヘクタール)の土地でトウモロコシを栽培した場合のデンプン量に相当すると伝えている。

同研究所では2015年よりデンプンの人工合成技術の研究に取り組み、6年の蓄積を経てこのほど初めて実験室にて二酸化炭素から人工的にデンプンを合成することに成功したという。記事はこの研究成果について国内外の専門家から「典型的な、0から1へのブレイクスルー」「未来の農業生産、特に食糧生産に革命的な影響をもたらすとともに、世界のバイオ製造業の発展という点でもマイルストーン的な意味を持っている」といった高い評価が寄せられていると紹介した。(翻訳・編集/川尻)