生地台場@富山県黒部市生地 令和三年(2021)9月11日

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福井県の東尋坊近くで「丸岡藩お台場」なるものがある事に気付き見学した結果、日本の沿岸各地に「お台場」が建設されていたことが分かった。

お台場と言えば東京の観光スポットとしてTVで目にする位しか知識がなかったが、北陸にもその遺構が現存したり、あるいは復元されている場所があることに驚いた。

かといって、それをリストアップしてスタンプラリーみたいに全ヶ所制覇するつもりは無く、気になったところや近くの台場跡を気ままに訪ねてみようと思います。

初めて知った北陸の「お台場」は石塁の砲台遺構でした。

【丸岡藩台場】の記事は→

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カノン砲が二門(レプリカですが)設置してあり、復元された砲台跡は必見です。

【小浜藩台場】の記事は→

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今回はレプリカの大砲が展示されている富山県黒部市の「生地台場」を訪ねることにしました。

当時の富山県は西から「射水郡」「砺波郡」「婦負郡」「新川郡」の4郡に分かれており、地図で見ると真ん中にある「婦負郡」だけが支藩の富山藩領でした。

なので富山県内に残る砲台跡はいくつかありますが、そのほとんどは領主である加賀藩が設置したものであり、富山藩が独自に設置したものは1か所に過ぎません。

では、加賀藩の「黒船」に対する沿岸防衛と越中国の防備について参考資料をもとに見てみましょう。

加賀藩は文化3年(1806)1月の『ロシア船に備えよ』との

幕命

を受けて以降、着実に海防の準備を進め、佐渡沖に異国船出没が伝えられた嘉永年間には、海辺防衛を一層厳重なものにするために、越中国を含めた沿岸一帯にお台場(砲台)を建設するなど、一連の防衛構想を実行に移していきます。

藩は領内海辺の村々の道程と海深を調査するよう十村へ依頼しました。早速十村は、海岸より沖に向かって一定の距離ごとに深さを調査した報告書を作成し、翌年藩へ提出しました。お台場の設置場所につき協議(越中からは魚津在住と今石動等支配が参加)を重ねてきた藩は、各郡からの報告書を参考に、領地沿岸に13か所、優先着工が6ヶ所(本吉、大野、黒崎、輪島、宇出津及び伏木) 能登国では計画を拡大し27か所設置しました。

越中国

では、伏木に放生津を加え直ちに着工の運びとなりましたが、藩主視察の結果生地と氷見にも築造が命じられたそうです。

富山県指定史跡 生地台場

この台場は、外国船渡来による海防上の必要から加賀藩が嘉永4年(1851)10月に着手し、11月に完成した。工事記録によると土を運んで台場の原型を作り、この上に芝を貼り、まわりを杭・竹・縄で囲った。正面入り口に小刀門を設け台場の上部に5か所の大砲を置く場所が作られ、船で大砲が運ばれてきた。

台場の長さ63m、幅8mあり、弧状の形をしている。これは幕末に造られた台場の上に、当時の設計図に基づいて復元したものである。砂の下には台場の原型がそのままの形で保存されている。富山県教育委員会、、、現地案内板より

場所は富山県黒部市生地

黒部漁港から海岸沿いに1Kmほど東に行くと、YKKの工場手の前にあります。

史跡指定記念碑

冠木門(かぶきもん)

屋根のない柱と貫だけの門

大砲のレプリカが展示してあります。本来は海に向いているべきなのでしょうが、道路からでも分かるようにアピールしているものと思われます。

しかし、これだけを見て帰ってしまう人もいるかも知れませんね。

台場を海の方向に回り込むと、砲身を海上に向けた本来の姿をした大砲のレプリカが展示してあります。

加賀藩が万延元年(1860)6月生地台場に送った大筒(大砲)は臼砲(モルチール砲)という形式であったと思われる。 そのほか、大筒の空丸、実丸、火薬等が送られている。安政6年(1859)加賀藩の布目太郎・馬場三郎の二人が大筒打人に任命された。 文久元年(1861)には大筒・砲丸などを入れておく土蔵が龍泉寺裏に建てられた。

臼砲(モルチール砲)は口径に比べ砲身が短く射角が大きいので、砲丸は湾曲して飛ぶ。そのため近距離用の攻撃に用いられた。富山県教育委員会、、、現地案内板より

別の資料によれば発射火薬157.6gの場合、

射角30度で383m、同45度で463m、同60度で431mの有効射程距離だったそうです。

放物線を描いて着弾したんでしょうね。

加賀藩では領地沿岸に13か所、優先着工が6ヶ所(本吉、大野、黒崎、輪島、宇出津及び伏木) 能登国では計画を拡大し27か所設置しました。

越中国では、伏木に放生津を加え直ちに着工の運びとなりましたが、藩主視察の結果生地と氷見にも築造が命じられたそうです。

◆☆♪ 伏木・放生津、氷見については次回、、、。◆☆♪

近くにはこんなものもあります。

黒部漁港に架かる「生地中橋」

旋回式の橋なんです!

大型の船舶が航行する際、干渉するため橋が旋回して航路を確保する仕組みです。

跳ね上げ式とは違う、片袖旋回式です。詳しくは→

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住所;〒938-0085 富山県黒部市生地9595

地図;