上越市出身・パラ競泳 石浦智美選手 共生社会広がり願う 郷里上越の応援に感謝 先見据え泳ぎを改善

 ―今後、改善していくポイントは。

 いろいろな課題を改善すれば、まだまだ戦えると思っています。前半のタイムは、トップのレベルにあったので、後半で手のピッチが遅くなったり、呼吸の回数が多くなったりする点を改善すれば、まだ伸びしろはあると思っています。100メートルはトレーニングをしていけば、もう少し上位に入っていける手応えはあります。

 私の得意技でもあるのですが、15メートルのドルフィンキックをして、そこからどう進んでいくかは、まだこれから研究していく必要があります。海外のトップ選手は早い段階で浮き上がって、わざとコースロープにぶつかって、そこに沿っていくという人が多かった。私の場合は泳いでいって当たったら沿っていくという作戦でした。その方法だと当たらなかった場合でも、左右にぶれてしまいます。一方で、浮き上がってすぐにぶつかるのはスピードの減速にもなります。どのタイミングでコースロープに寄って、沿っていくかは今後練習を重ねて練っていく必要があると思っています。

日本の居住棟内の味の素ブース前で、公式マスコットキャラクター「ソメイティ」と石浦選手(写真は全て本人提供)

 ―3年後のパリ大会をどう捉えていますか。

 選考会を逆算すれば、あと2年半。4年サイクルとは違うので、続ける選手も多いと思います。とりあえず来年は世界選手権とアジア大会が予定されているので、世界のレベルを見ながら、その先を見据えたプランで動いていきます。パリの中間地点でもありますから、まずはそこを目指して頑張ります。

 S11の場合は体力よりはテクニック。いかにまっすぐ泳ぐか等のウエートが高くなっています。年齢が高いからといって世界で戦えないとはいえないクラスだと思います。自分たちの力を最大限に発揮するかが長く続けていくこつでもあります。

日本の居住棟前で

 ―パラリンピックの雰囲気は楽しめましたか。

 開会式も閉会式も参加がかないませんでしたが、開会式は水泳チームのメンバーが出ていたので、滞在部屋でじっくりと拝見しました。選手村は居心地が良く、日本開催なので、食事に関しても、世界各地の料理は味付けなど日本人に合わせているかなと思いました。たこ焼きやギョーザがおいしかったです。選手村の私たちの部屋はツイン一つ、シングル二つのユニット部屋。成田真由美さん、山田美幸さん、山田さんの担当コーチ、野田文江さんと一緒でした。

 ―母校の北諏訪小やマハヤナ幼稚園をはじめ上越市内でも多くの応援がありました。

 知り合いを通じてニュースになっていると知りまして、(小学校と幼稚園に)選手村から、応援に対する感謝の手紙を出させていただきました。こういう機会にパラリンピックに興味を持ってもらいつつ、さらに自分たちの夢に向かって頑張ってほしいなという思いを込めて、手紙を書きました。たくさんの方々がパラリンピックを観戦し、応援してくださったことに、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。

メーンプールで

 ―上越の方々にメッセージを。

 コロナ禍の中で開催に対して賛否両論があった東京大会ですが、皆さんのご理解とご協力のおかげで開催していただき、新潟でも聖火イベントなどでオリパラを応援していただき、ありがとうございました。大会は残念ながら無観客となりましたが、私たちパラアスリートの様子を見て、障害を持った人たちへの理解や見守りが広がり、夢に向かって頑張る子どもたちがどんどん育っていってほしいなと思っています。夢は一人ではかなえることはできないです。まだまだ私も水泳に限らず、いろいろなことに挑戦していきたいです。今回のパラ出場は本当に多くの方々のご支援のおかげです。皆さん応援ありがとうございました。そしてこれからも応援いただけますと幸いです。(おわり)

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