明治安田J3は26日、各地で5試合があり、カターレ富山はホームの県総合運動公園陸上競技場で鳥取に0-2で敗れた。今季ホーム初黒星となり、無敗記録は9で止まった。通算成績は9勝5分け4敗。勝ち点32のままで、順位は暫定4位に下がった。
前節の八戸戦が中止となり、2週間ぶりの公式戦だった富山は、いきなり前半2分に失点する苦しい立ち上がりとなった。前半終了間際にも自陣ゴール前でFKのこぼれ球を決められ、追加点を奪われた。
後半に入り、FW高橋やMF戸高などを入れ、攻撃的に出たが、最後まで得点できなかった。
次戦は10月3日、福島県のとうほう・みんなのスタジアムで福島と対戦する。
富山以外の試合は、熊本が福島を1―0で下し、勝ち点36で首位を守った。岩手は今治に1―0、宮崎は沼津に2―1で勝ってともに同34。
■課題浮き彫り 痛い敗戦
立ち上がりの失点、自陣ペナルティーエリア付近での不用意なファール。リーグ前半戦から言い続けてきた課題がまた、浮き彫りになった。反撃の見せ場も少なく、あっさりと今季ホーム初黒星。石崎信弘監督は「課題を意識していただけに、とても残念なゲームになってしまった」と語った。
試合開始わずか2分足らずで失点し、前半終了間際にはDF柳下の反則で与えたFKから2点目を献上した。球際の強さや最後まで走り切る姿勢は見せていたものの、自分たちで試合を難しくした。
選手たちも、快勝した前々節の長野戦のような入りを意識していただけに、ショックは大きかった。FWマテウスは「きょうの敗戦はチームにとって、とても痛い」と厳しい表情を崩さなかった。
混戦が続く上位陣から抜け出すためにも白星が必須だった。鳥取は下位に低迷していただけに、ここで勝ち点3を逃したことの意味は重い。順位は暫定4位に後退し、J2復帰を成し遂げるには引き分けも許されない試合が続く。この敗戦を糧にできるか。チームの真価が問われている。(南貴大)
■決勝戦のつもりで/堤´sEYE
今季無敗だったホームで初黒星を喫した。後期に入っていまひとつ波に乗り切れていない。強いチームというのは好不調の波が少なく、今節のように内容が良くなくても引き分けに持ち込んだり、勝ちにつなげられたりする力を持っている。富山にはまだそこまでの力が備わっていないようだ。
ホームで2点のビハインドを背負った展開は初めてで、選手は少し動揺したかもしれない。鳥取には上位を食ってやろうという気迫を感じたし、まともに受けてしまった富山は強みであるハイプレスが機能せずファールを繰り返してリズムをつかめなかった。
途中出場したMF花井がすぐに交代したことが気がかりだし、次節はDF柳下も警告累積で出場できない。ここからは本当の意味で総力戦になるだろう。
依然として上位は混戦で、どこが抜け出すか予想もつかない。おそらく終盤までこの状態は続くと思う。1試合1試合がトーナメントの決勝戦のつもりで戦わなければならない。(元カターレ富山DF・堤健吾)
富山 0 - 2 鳥取 0 (前半) 2 0 (後半) 0
▽得点 【鳥】 2分 永島 45+2分 世瀬 ▽交代 【富】46分 姫野→高橋 56分 吉平→戸高 65分 末木→碓井 椎名→花井 花井→大野 【鳥】67分 永島→杉井 大久保→清永 81分 小田垣→秋山 90+2分 石川→田口 ▽警告 【富】36分 姫野 45+1分 柳下 ▽シュート 【富】6【鳥】9 ▽観衆 2043人
【富山】 GK 1 西部 洋平 DF 4 戸根 一誓 DF 19 柳下 大樹 DF 23 林堂 眞 MF 13 安藤 由翔 MF 16 末木 裕也 MF 17 姫野 宥弥 MF 20 音泉 翔眞 MF 22 椎名 伸志 FW 27 吉平 翼 FW 28 マテウス レイリア
控えメンバー GK 31 齋藤 和希 DF 5 今瀬 淳也 MF 10 花井 聖 MF 32 戸高 弘貴 MF 6 碓井 鉄平 FW 8 高橋 駿太 FW 9 大野 耀平
【沼津】 GK 13 田尻 健 DF 24 坂本 敬 DF 4 鈴木 順也 DF 3 藤原 拓也 MF 14 魚里 直哉 MF 26 世瀬 啓人 MF 6 新井 泰貴 MF 27 小田垣 旋 MF 21 永島 悠史 FW 11 大久保 優 FW 18 石川 大地
控えメンバー GK 31 糸原 紘史郎 DF 22 小山 珠里 DF 34 杉井 颯 MF 19 清永 丈瑠 MF 25 秋山 大地 MF 7 可児 壮隆 FW 9 田口 裕也