新日本プロレス26日神戸ワールド記念ホール大会の「G1クライマックス」Aブロック公式戦で、ザック・セイバーJr.(34)が前年度覇者・飯伏幸太(39)を撃破し開幕3連勝を飾った。
序盤から徹底した腕攻めを展開したザックは、レッグラリア―ト、シットダウン式パワーボムと飯伏の得意技まで繰り出して試合の主導権を握った。ジャンピングニー、ボマイェを連続で浴びて形勢逆転を許し、強烈なバズソーキックからカミゴェを狙われたが、ここからがザックの真骨頂だった。
間一髪で回避すると飛び付き式の変形オクトパスホールドで捕獲。そのままグラウンドに持ち込むと、複合関節技クラーキーキャット(バッドバルーンリミックス)に移行して全身の自由を奪う。身動きの取れない飯伏から会心のギブアップを奪って見せた。
内藤哲也、IWGP世界ヘビー級王者・鷹木信悟に続いて飯伏からも完勝を収めた。Aブロックで「3強」と目されていた「昭和57年会」メンバーの3タテに成功したザックは「お前らの優勝予想はまっすぐゴミ箱行きだ。これで3人倒した。残るはバカ6人だ」と高笑い。「3人続けてトップと当たったけど、どれも楽勝だった。俺はやっぱり長いトーナメントが合ってるみたいだ。これぞ世界最高のテクニカルレスラーだ。もう誰も俺を止めることはできない。この俺が史上初の英国人G1覇者になる」と豪語した。
次戦(30日、後楽園)は4連勝中でブロック単独首位を走るグレート―O―カーンと激突する。左膝負傷で欠場した内藤と唯一試合を行ったザックには不戦勝分の勝ち点が加わっていないため勝ち点2差がついているが、全勝同士の公式戦は優勝争いの上でも重要となってくる。「アイツは格好はひどいけど、実力は侮れない。レスリングの実績もあるよな? アラジンのパンツを履いているとはいえ、テクニックは確かだ。でもやっぱりコスチュームはひどい。それにマジックカーペットなしで俺に勝てるのか?」と4連勝と首位交代に自信をのぞかせていた。