めちゃくちゃバズった「小室さん長髪報道で考える人の見た目問題」後記 人は他人に自分のことをあーだこーだと言われたくない生き物

By 「ニューヨーク直行便」安部かすみ

Image: Pixabay by Gerd Altmann

金曜に書いた記事が、Yahoo! JAPAN, NewsPicks, はてななどのトピックスに取り上げられ、びっくりするほど多くの方に読んでいただきました。日本時間の土曜日3pmからツイッターのトレンド入りもしたようです。

小室圭さん報道で考える「人の見た目問題」。日本は真の多様性に向け何が必要か

小室氏の見た目言及 NYではNG

記事執筆のきっかけ

そもそもこの記事を書くきっかけは、ニュースフィードに並ぶ各紙の見出しに小室圭さんの「長髪」「ロン毛」という文字が散見されていたことに違和感を持ったことからです。小室さんの近影を確認したら不潔な印象もないですし、単純に「長髪の何が悪いのだろう?」と思いました。パンデミックで散髪する機会も減り、忙しすぎて伸びてしまったのかなくらいしか思いませんでした。髪型がニュースフィードで踊るなんて日本らしい話題だなと思い、ヤフーのオーサーコメントに書いてみたら反応が良かったので、翌日記事で発信してみました。

さまざまな反響(まとめ)

まず自分のツイッターにたくさん意見が寄せられました。

リツイートもたくさん。(以下順不同)

反響は過去記事にも波及しました。

近藤サトさんに学ぶ「ありのまま」の美しさと、アメリカ人のグレイヘア観

私の記事への反響の中には、論点のすり替えといった意見や長髪ではなく彼の態度が問題という意見もありますが、私はそもそもその視点で筆を執っていないので...。

(反対意見も含む)これだけ多くの人が何かしら普段からふつふつと考えることがあったからこそこれだけ大きな話題になったのだろうし、私はただメディアへの問題提起として発信したことが、読んでくれた人々にとっても何かしら「考えるきっかけ」となったようなので、発信してよかったと改めて思っているところです。

AbemaNewsも取材してくださったので、良かったらご覧ください。9月27日(月)12-1pm(生放送のため変更の場合もあり)

(執筆後に改めて思ったこと)人は他人に自分のことをあーだこーだと言われたくない生き物

私は、小室さんの人柄や眞子さまとの結婚問題について関心がそれほどないので、それについてのコメントは差し控えますが、あくまでも「小室さん報道で考えた見た目問題」という視点で考えると、執筆後の反響などを見て思ったこととして、結局のところ「人は他人に自分のことをあーだこーだと言われたくない生き物なんだよなぁ」ってことでした。

家族にしろ友人にしろ彼氏彼女にしろ、上司や同僚にしろ、今日会ったばかりの人にしろ、自分以外の誰かに自分の容姿、生活、人生について「あれ?ちょっと太った?」「わぁ実際に会ったら意外と大きいんですね!」「そんな生活であなたやっていけるの?」「あんな人と付き合って大丈夫?」なんて言われたくないのです。

すべて「放っておけ」事案です。

ちなみに「人の見た目」を気にするかしないかについては、アメリカ人も気にします。以前ブログに書きました。

でも「気にする」と「あーだこーだと(わざわざ)言葉にする」は異なるもの。

他人のヘアスタイルの言及についても、問題になっているからこそニューヨークでは法律で取り締まりが行われていて、その動きの中で人々が「人の見た目や容姿について、他人があーだこーだ言わないようにしようね」っていう考えが広まっているのです。

見知らぬ子供から自分が着ているものについて「そのコート素敵!」なんて褒められることも珍しくないアメリカで私自身が19年暮らしていて、普段の生活の中で他人から褒められることはあれど、あーだこーだと言われたことはありません。多民族が共存するこの街では、まともな人であれば、デリケートな話題には触れないというデリカシーに関しての基準を血で理解している、そんな気もしています。

そしてデリカシーに関しての基準は、メディアと教育者から変わっていかないと、なかなか人々の意識まで変わっていかないです。黒人の肌の色を茶化したり、ライトカラーに塗り替えられたりすることが数年前まで日本のメディアや広告で堂々となされてきたのが、人々がやっとそれらをタブーだと理解し、近年は厳しく規制されるようになりました。肌の色や髪型など人の見た目について、井戸端会議で話すような下世話なことをメディアや教育の場で面白おかしく話題にしないというのが今後求められているのでしょう。

また、他人の見た目があまりにも気になりつい言ってしまうというのは自分の自信のなさの表れでもあります。

人の見た目について他人がとやかく言わない世の中に1歩でも近づくことを願っています。

Text by Kasumi Abe 安部かすみ  無断転載禁止

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