【MLB】大谷一問一答 “惨敗”エ軍へ偽らず本音「球団は好き。ただ、それ以上に勝ちたい」

試合後の会見に臨んだエンゼルス・大谷翔平(画像はスクリーンショット)

7回10奪三振5安打1失点と好投も10勝目ならず「最後の本塁打以外は。よく粘れていた方かなと思います」

エンゼルスの大谷翔平投手は26日(日本時間27日)、本拠地・マリナーズ戦で「2番・投手」で出場した。7回10奪三振5安打1失点と好投したものの、打線の援護なく10勝目はお預けとなった。

ほぼ完璧な投球だった。6回まで無失点と好投したが、7回1死からケルニックに右越えソロを被弾。7回112球を投げ、無四球5安打1失点。今季4度目の2桁10奪三振と力投したが、勝ち星には届かなかった。降板時にはダグアウト内で珍しくバットを叩きつけ、悔しさをあらわにした。

中6日で回れば10月3日の敵地・マリナーズとの今季最終戦で先発マウンドに上がる可能性がある。両リーグでは1918年ベーブ・ルース以来103年ぶりの同一シーズン2桁勝利&2桁本塁打の偉業達成となるか注目が集まる。

――投球全体を振り返って。
「最後の本塁打以外は。得点圏もいったりしましたけど、よく粘れていた方かなと思います」

――今季最終戦に登板する予定は。
「どうですかね。まだ何も言われていないので」

――今季本拠地では6勝無敗。
「声援もありますし、いつも同じ感覚で投げられるので。ホームが良い数字になるのは必然的かなと思っています」

――プレーオフを逃し、フラストレーションが溜まることはあるか。
「ありますね、やっぱり。もっともっと楽しいというか、ヒリヒリする9月を過ごしたいですし。クラブハウスの中もそういう会話で溢れるような9月になることを願っていますし、来年以降そうなるように頑張りたいなと思います」

7回10奪三振5安打1失点と好投したが、勝ちはつかなかった【写真:AP】

今季もあと6試合、MVP争いは「最後まで健康で終わりたいなっていうのが一番」

――MVP争いについて。
「まずは最後まで健康で終わりたいなっていうのが一番かなと思うので。あとは自分の評価は自分ではしないっていうふうに決めているので。高く評価してもらえるなら、それは光栄なことだなと思っています」

――2年後にFAになる。2年間でプレーオフに進出できる希望はあるか。
「どうなんでしょうね。中盤までは良い戦い。主力が抜けている中で、我慢強く主力が来るのを待って、(勝率)5割付近で頑張っていた方だなと思っているので。なかなかそこから主力が帰って来ないとなって、モチベーションとかがズルズルいった印象なので。このままでは勝てないんじゃないかなと思います」

――エンゼルスに残留したい気持ちは。
「そうですね。もちろんファンの人も好きですし、球団自体の雰囲気も好きであるので。ただ、それ以上に勝ちたいという気持ちが強いですし、プレーヤーとしてはそれの方が正しいんじゃないかなと思っています」

――球団と契約延長についての話は。
「現時点ではないですね」

――ここ最近は四球が多く、3試合11四球のメジャータイ記録を記録した。
「打線の中の1人として、歩かせるっていうのも。もちろん僕も歩かせたことはありますし、普通の選択だなとは思うので。むしろマリナーズ的には(大谷自身が)今日投げるっていうのも決まっていましたし、変な話、ぶつけてもいいんじゃないかな、ぐらいの。その中で敬遠というのはいたって紳士的な作戦じゃないかなと思うので」

7回終了後に怒りのバット叩きつけ「7回をゼロで抑えたかった」

――7回に同点弾を許した際にうなずいていたように見えた。
「打たれる球を打たれたなという。まだ下位だったので、その後を抑えて、という感じですかね」

――7回攻撃終了後に悔しさを露わにした。
「やっぱり7回をゼロで抑えたかったなというのもそうですし、今日は若干、球数が多かったので。そこも抑えて、全体的に考えたら8回無失点で乗り切る内容ではあったかなと思うので。勝てなかったのもそうですし、ゲームとして最後に追いつかれるのも自分の責任かなと思います」

――バットを叩きつけるのは珍しかった。次打席が回ってきたら打ってやろうという気持ちだったか。
「もっともっといい内容で終われるところで。下位に持ち込まれてという感じの投球になってしまったので。トータルとしていいゲームではありましたけど、もう少し改善するところがあったかなと思います」

――このままで勝てないと話していた。来季へ自分としてはどんなことが必要だと思うか。
「まずは個人というか、自分がやれることというか。周りを左右するのは難しいことですし、それは自分というよりフロントや首脳陣の分野かと思うので。僕は僕で個人としてチームにどうやって貢献できるのかを考えてやりたいなと思っています」

――7回投球後にスタンディング・オベーション。本拠地ファンの前で勝ちたかったか。
「もちろんそうですね。いい形でホームを締めくくりたかったなというのはありますし、今年1年間、フラストレーションが溜まるような試合ばかりをして、申し訳ないなという気持ちもあるので。来年以降、そうならないように頑張りたいなと思います」

――投打でファンの期待を感じているか。
「そう言ってもらえるのもありがたいですし、残る結果はベストを尽くした先にあると思っているので。まずは健康で最後までしっかり自分のやることに集中して。もちろん打てない時も抑えられない時もあると思いますけど、やることさえやっていれば次につながるかなと思っています」

10・4最終戦の登板は「体と相談して。どうなるか分からないかなと思います」

――6回で100球に近づいていた。まだまだ投げられる状態だったか。
「そうですね。8回までいくぐらいの気持ちで投げていたので。先発が一番長い回を投げるのが、勝ちになる確率が、チームが勝てる確率が高いと思うので。1回でも多く、1人でも多く投げた方がチームとしてトータルとして考えた時に勝ちやすくなるかなと思います」

――中6日なら最終戦で登板できる。
「体と相談して。今日も結構投げているので。まぁどうなるかは分からないかなと思います」

――MLB幹部は「大谷のプレーを見ればファンが増える」と話していた。子どもたちへメッセージがあれば。
「もちろん素晴らしい選手がたくさんいるので。見ていれば、いいプレーがたくさん見られますし。僕に限らず、いい選手のプレーを見て少しでもカッコいいなと思えば、それは好きになる要素として大きく関わってくると思うので。僕もプロ野球選手、メジャーリーガーをカッコいいなと思って始めたので。そう思ってもらえるように、頑張りたいなと思います」

――本塁打王を争うロイヤルズ・ペレス、ブルージェイズ・ゲレーロJr.への印象は。
「ペレス選手はオールスターでも(バッテリーを)組みましたし、人柄はゲレーロ選手もそうですけど、謙虚で素晴らしいプレーヤー。グラウンドの外でも謙虚で、人としても素晴らしいなという印象だったので。プレーヤーとしても刺激を受けていますし、打撃なんかは見ていても僕としても勉強になるところがたくさんあるので。いい刺激をもらって1年間野球が出来ているなと思います」

――プロを続ける限りは究極を目指したいと話していた。究極には近づいているか。
「日本で残った成績もそうですけど、実際にやっている時よりも後から振り返ってみた時の印象も違うので。現時点で、自分がどのくらいにいるというのは、なかなか分からないですし、考えることもあまりないですけど、そうなるように1日頑張りたいなと思っています。まだ残りちょっとあるので。1試合1試合、個人としてもチームとしても大事だなと思っているので、ベストを尽くしたいなと思っています」(小谷真弥 / Masaya Kotani)

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