【ウォルマート・アーカンソー選手権】畑岡奈紗が重圧に打ち勝ち優勝 米ツアー通算5勝目

畑岡奈紗(ロイター)

【アーカンソー州ロジャース26日(日本時間27日)発】米女子ツアー「ウォルマート・アーカンソー選手権」(ピナクルCC=パー71)最終日、首位で出た2018年大会優勝者の畑岡奈紗(22=アビームコンサルティング)は、5バーディー、1ボギーの67で回り、通算16アンダーで優勝した。7月の「マラソン・クラシック」以来となる米ツアー通算5勝目で、日本女子では17勝の岡本綾子、9勝の宮里藍に次ぐ歴代3位の成績となった。

米ツアー初勝利を遂げた相性の良い地で、再び最高の成績を収めた。「思い出深いコースで2勝目をすることができて、すごくうれしいです」と笑顔を見せた。

2日目を終え、首位で並ぶミンジー・リー(オーストラリア)と同組で回った最終日。出だしの1、2番で連続バーディーを奪い、勢いに乗ると4番、7番でもスコアを伸ばし折り返した。後半も11番でバーディーを奪うが13番でボギー。その後は足踏みが続き、スコアを伸ばせない。

リーがじわりと1打差にまで迫ってきた最終18番。2オンに成功したものの、約15メートルのイーグルパットはオーバーし、3パットに。それでも泥沼にはまることなく、しっかりパーで収め逃げ切った。

「18番の3パットは全部ボールを置くときに手が震えていて、どう打ったか覚えていない。今までで一番緊張した最終ホールだった」と、ホッとした様子で明かした。大きなプレッシャーがかかる状況でも勝ち切ったことに「すごく大きな経験だった」と自信を付けた。

今年は6月のメジャー「全米女子オープン」で笹生優花(20=ICTSI)とのプレーオフで敗れたり、目標だった東京五輪の金メダルも逃すなど、悔しい思いもした。しかし落ち込んでも這い上がり、ツアー5勝目。日本歴代3位の記録は本物だ。今大会は2日連続でホールインワンを達成。あまりの幸運に「事故らないように帰ります」と冗談を飛ばしていたが、もちろん実力に裏打ちされてのことだ。

「(ホールインワンができるくらい)アイアンショットの状態は上がっていると確認できた。今シーズン残りの試合でも、少しでも勝てるよう頑張りたい」。強い畑岡が、日本女子ゴルフ界をけん引する。

9位から出た笹生優花は2イーグル、4バーディー、2ボギーの65と伸ばし、通算14アンダーで4位に入った。7番と18番でイーグルを奪うなど、勢いを見せた20歳。「良いゴルフができて、いい1週間でした」と振り返った。

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