【スプリンターズS】実力は〝お墨付き〟アウィルアウェイの破壊力が炸裂する!

トップクラスの破壊力を秘めるアウィルアウェイ(東スポWeb)

【GⅠスプリンターズS・dodo馬券】

いよいよ秋のGⅠシリーズが幕を開ける。その〝初陣〟となるのは極限のスピード決戦・第55回スプリンターズS(10月3日=中山芝外1200メートル)。昨年の覇者グランアレグリアが不在で、今年の高松宮記念を制したダノンスマッシュは4月以来の休み明けとなれば波乱の目は十分に考えられる。当欄◎はハマったときの破壊力がメンバートップのアウィルアウェイ。この馬の実力は主催者発表の〝数値〟からも明らかだ。

セントウルSが終わった直後、2着ピクシーナイトの音無調教師、3着クリノガウディーの藤沢則調教師が「ウチの馬は出られないかもしれない」と声を揃えた。この時点では、今年のスプリンターズSは賞金ボーダーが高いと関係者の間で話題になっていたのだ。同じように、出走枠入りに対して悲観的だったのがアウィルアウェイ陣営。高野調教師は「この1年で賞金を加算できていないので、オパールS(10月9日=リステッド)に回ることになりそうですね」と半ば諦めムードだった。

登録馬発表の段階では出走順位は案の定、次点の17位。ただし、21日にアナウンスされたレーティング順位で、昨年のスプリンターズS3着が評価されて3位(109)となり、上位5頭の優先出走権を獲得。うれしい誤算で滑り込みセーフとなったのだ(その後、出走順位6位のヨカヨカが故障→引退のアクシデントもあったが…)。

もともとオパールSに目標を切り替えていたとあって放牧から帰厩したのは9月15日とやや遅めだったが、ここでも幸運が訪れる。週末が3日間開催とあって本来トレセン全休日の月曜(20日)も馬場入りが可能に。そのおかげで、帰厩1本目だった17日も含めて1週間に2本の時計(17日=坂路4ハロン57・5―11・9秒、20日=同57・1―12・2秒)を出せたのだ。「2週前に速いところを2本やれたのは大きかったですね。1本目からすごく動きが良かったですし、前回と体重は同じですが馬体の張りからして違いますね」と高野師。〝僥倖尽くし〟のGⅠ出走にかなりの色気を見せている。

「前走(北九州記念14着)は直前の大雨で馬場がこたえたと鞍上が言っていたけど、正直なところ前々走(CBC賞3着)の時のほうが状態も良かったですからね。今回のシルエットは好調時のそれ。中山は相性がいい舞台で昨年も3着。先行馬がこれだけ揃えば何かが起こっても…」

イメージは昨年と同じ激流→大外一気だ。前半3ハロン32秒8の速い流れに置かれ、最後方追走になりながらも、直線は外から猛然と追い込んでグランアレグリアに次いで上がり2位(33秒7)をマークしたあの破壊力。当時、激しい先行争いを演じたモズスーパーフレア&ビアンフェが今年もエントリー。後者は、前走の函館スプリントSで前3ハロン32秒8のハイラップを刻んで逃げ切ったとあれば、昨年以上のハイペースになる可能性も高い。

主催者であるJRAがダノンスマッシュ(117)、レシステンシア(112)に次いでレーティング3位とその実力を認めている馬が、多くの幸運とともに、展開も味方にすれば…。ゴールで待っているのは大外強襲のシーンだ。

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