ホットサンドとよりすぐりの本でリラックスタイム 古書カフェうさぎ堂(石垣市)<うちなー味まーい36>

 軒先に並ぶ古本のタイトルに引かれ店のドアを開けると、パンの焼ける香ばしいにおいがただよい、食欲を刺激する。石垣市新川の古書カフェうさぎ堂は、店主の千葉茂之さん(56)のよりすぐりの古本と本格的なホットサンドが楽しめる店だ。

 一番人気はツナオニオンのサンド。きつね色に焼けたパンはサクッとした歯ごたえが特徴で、具材の玉ねぎの香味とツナのコンビネーションは相性抜群だ。ドリンクは、波照間島の黒糖をお湯で溶いた蜜に牛乳を注ぎ、コーヒーを凍らせた氷を浮かべたカフェオレが人気の品だ。黒糖のほのかな甘さが、優しいカフェオレの味を引き立てる。

 元々東京都内で書店員として24年間働いていた千葉さんだが、仕事に行き詰まり退職。そんな中、石垣育ちの妻の勧めもあり石垣に移り住んだ。店を開いてから11月で4年になる。

 都内で働いていた頃は、ブックカフェを書店の邪道だと思っていたという。だが石垣で古書店を開くにあたり、妻と店のオーナーである妻の親戚に「カフェもやること」を開店の条件とされた。結果、これが当たった。カフェが評判を呼んだ。飲食業は初心者だったが調理に研究を重ね、メニュー数も段々と増やしていった。

 もちろん“本職”の書店員として本の魅力を伝えることも忘れない。千葉さんは「落ち着いた雰囲気の中で本を楽しみながら、サンドイッチを味わってほしい」と話している。

 緊急事態宣言期間中の開店は午前11時~午後6時で、火、水曜休業。石垣市新川2370の3。(電話)090(7013)0731。

 (西銘研志郎)

© 株式会社琉球新報社