米国のテーパリングが仮想通貨に与える影響は…過去には暴落したことも

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【お金の学校】仮想通貨(15)

金融市場では、米国のテーパリングの行方に注目が集まっている。その動向は仮想通貨(暗号資産)の価格にも影響を与えそうだ。

FRB(米連邦準備制度理事会)のパウエル議長は、9月21日、22日に開いたFOMC(米連邦公開市場委員会)後の会見で、テーパリングは「次回会合(11月2日、3日)で決定する可能性がある」ことを明らかにした。また、テーパリング後には利上げが待っているが、開始時期について、これまで2023年としてきた予測を22年に前倒しした。

新型コロナウイルスの感染拡大による危機から経済を回復させるため、FRBは米国債などを毎月1200億ドル(約13兆円)購入してきた。この量的緩和(QE)を縮小するのがテーパリングだ。

■1年間で資産価値が4分の1に

FRBは14年1月から10月にかけてもテーパリングを実施している。当時の米国はリーマン・ショックで混乱した金融市場を回復させるため、QE1からQE3まで、3回にわたって量的緩和を行っていた。その後に行われたのが14年のテーパリングだ。

当時のビットコインの価格を見ると、テーパリングを開始した14年1月時点では約9万円だったが、15年1月には約2万4000円まで下落している。約1年で資産価値が4分の1程度に目減りした計算だ。

ただ、当時のビットコインには大事件も起きている。仮想通貨取引所「マウントゴックス」を運営していたMTGOXが14年2月28日、東京地裁に民事再生法の適用を申請し、受理されている。不正アクセスによって顧客分と自社保有分を合わせて85万BTCが消失し債務超過に陥ったことが原因だった。

こうした事件も価格に大きな影響を与えた可能性があり、テーパリングがビットコイン価格にどの程度の影響を与えたかは定かでないが、今回も注意が必要だ。

一方で中国情勢も気にかかる。恒大グループの問題でビットコイン価格は9月21日に急落した。債務不履行はいったん回避されたものの、22年以降にも多額の債務履行が待っているという。

懸念材料が目白押しのいまは、しばらく様子を見たほうがいいかもしれない。

(経済ジャーナリスト・向山勇)