“再生可能エネルギーの島”発展誓う 「五島版RE100」始動

五島版RE100に取り組む事業者ら=五島市中央町、観光ビルはたなか

 世界的な異常気象など環境問題への取り組みが世界的な潮流となる中、創設された「五島版RE100」。参加事業者は「五島産電力使用」「再エネ100%」「CO2ゼロ」に取り組み、商品やサービスなどの付加価値を高める。脱炭素化と地域の活性化の両方を目指す取り組みが始まった。
 「五島を“再エネの島”として発展させたい」。取り組みを主導してきた福江商工会議所の清瀧誠司会頭は27日に開かれた認定証授与式で力を込めた。
 第1次認定となる今回、飲食、建築など多様な分野の16事業者が参加。水産加工品の製造販売を手掛ける「しまおう」は、既に自社工場の電力を地元産再エネで賄っており、山本善英代表は「RE100のロゴマークを使い、取引先にアピールしていきたい」と事業者代表であいさつした。
 不動産業のJR西日本プロパティーズ九州支社は長崎市内の事業所として唯一参加。同市新大工町地区に整備されたオフィスなどで五島版RE100に取り組む。星野秀夫支社長は「入居するテナント様にも価値を提供できる」と意義を強調する。
 同会議所によると、16事業者の2020年度の年間電力消費実績は合計約300万キロワットアワー、二酸化炭素(CO2)排出量は937トン。今後5年以内に排出量ゼロを目指す。同会議所が毎年、認定事業者の進捗(しんちょく)状況を確認するなど、伴走型でサポートするのも五島版の特徴。環境省の担当者は「幅広く複数の事業者が参加する興味深い取り組み。地元での機運が高まることも期待される」と評価する。
 同会議所は「引き続き参加事業者を増やすための取り組みを進め、市内事業者、地域経済の発展に貢献したい」としている。

五島版RE100の認証イメージ

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