「脱炭素の先駆者に」 五島産の再エネ利用100%目標 16業者を認定

清瀧会頭(左)から五島版RE100の認定証を受け取る事業者=五島市中央町、観光ビルはたなか

 長崎県五島市の福江商工会議所(清瀧誠司会頭)は27日、「五島版RE100」に取り組む同市などの16事業者に、初の認定証を授与した。各事業者は使用する電力を、地場産の再生可能エネルギーで100%調達し、二酸化炭素(CO2)排出ゼロを目指す。併せて商品などの付加価値を高め、脱炭素化と地域の活性化を図る。
 RE100は、Renewable Energy(再生可能エネルギー)100%の略称で、世界的な著名企業が参加する国際ネットワーク。東京都が2019年から都庁舎版を始めるなど、関連した取り組みが広がっている。
 五島市内の消費電力に占める太陽光や風力などの再エネ発電量は56.3%(3月末現在)と高水準。同会議所はこうした「五島産電力」の利用を進めようと、産学官でつくる研究会で、「五島版RE100」創設を検討してきた。民間主導では全国的にも珍しい取り組みとなる。
 趣旨に賛同する事業者が宣言。小売電気事業者、五島市民電力(橋本武敏社長)から、五島産電力の供給を受けるなどし、5年以内に再エネ100%、CO2排出量ゼロを目指す。
 市内であった授与式で、清瀧会頭が各事業者に認定証を手渡し、「脱炭素の先駆者として取り組みを進め、島外での取引でアピールしてほしい」とあいさつ。来賓の野口市太郎市長は、市が目指すCO2排出実質ゼロの実現に向けて「(五島市沖で今後建設が本格化する)浮体式洋上風力発電とともに、核となる」と期待を寄せた。


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